フィスカーはCES 2020において、新型EVの『オーシャン』(Fisker Ocean)のプロトタイプをワールドプレミアした。
◆米国ベース価格は3万7499ドル
オーシャンは電動SUVで、バッテリーの蓄電容量は、標準仕様でおよそ80kWhとなる。1回の充電で、最大およそ300マイル(約483km)を走行できる性能を備える。
オーシャンには、完全新開発のプラットフォームを採用する。この新世代のプラットフォームからは、さらに2車種の新型フィスカーモデルが、登場する予定だ。
また、駆動方式は4WDだ。前後アクスルにモーターを搭載する。米国でのベース価格は、3万7499ドル(約410万円)と、従来のフィスカーの電動モデルと比較すると、大幅にリーズナブルな価格を実現する。
◆フルオープンにできるカリフォルニアモード
このオーシャンには、カリフォルニアモードを設定する。カリフォルニアモードはSUVとしては初めて、ソフトトップを使用せずに、ルーフをフルオープンにできるシステムで、フィスカーの特許技術という。
その内容は、スイッチひとつで、9枚の窓ガラスを下げることが可能になるというものだ。フロントサイドガラスが左右2枚、リアサイドガラスが左右2枚、リアクォーターガラスが左右2枚、リアハッチガラスが1枚、ルーフガラスが2枚の合計9枚の窓ガラスを、スイッチ操作ひとつで下げることができる。
ヘッドアップディスプレイには、カラオケ機能を採用している。フィスカーの「Flexee」アプリと同期して、車内での楽しい時間を過ごすことができるという。
オーシャンには、フルレングスのソーラールーフが採用された。モーターのパワーをサポートし、電費効率を高めている。テクノロジーの進化に伴い、フィスカーは、より高いエネルギー効率と、より優れたハードウェアソリューションを追求している。
◆徹底したリサイクルへの取り組み
インテリアには、完全にリサイクルされたカーペットを使う。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出制限に適合している
また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材を用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、生産サイクル全体を通じて保証されている。
オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを埋め立て地に捨てずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できるという。
◆生産開始は2021年内を予定
フィスカーは、オーシャンの生産を2021年内に開始することを目指している。2022年に、最初のデリバリーを始める予定だ。同社は、電池などの重要なコンポーネントを含む戦略的なサプライチェーンをグローバル規模で確保した。これにより、2022年から2027年までに、100万台を超える車両の生産を見込んでいる。
フィスカーの新型EV『オーシャン』、航続483km…CES 2020
2020年01月10日(金) 19時15分
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