Mercedes me NEXTDOORにオープンしたMinatoya 3。《撮影 中込健太郎》

「日本一行列ができる」と言われる立ち食いそばの人気店「港屋」。東京・虎ノ門の店舗が突如閉店して話題となったが、大手町で「港屋2」が大手町で営業中。12月26日に六本木のMercedes me Tokyo NEXTDOOR内に3号店「Minatoya 3」がオープンしたので早速訪れてみた。

Minatoya 3も昼時になるとなかなかの盛況ぶり、客が途切れることはない。メニューはドリンクが数種類用意されるものの、そばは肉そば「Mercedes-AMG GT Atatakai-Nikusoba」1種類のみ。弾力がありもっちりとした食感で、コシの強めな麺、その麺と相性抜群のつけダレは、甘辛い肉がたっぷり入って、ラー油のピリッとしたアクセントが個性的だ。個性的ではあるものの食が進む。濃い目の味ながら、付属の生卵を落とすとぐっとまろやかになり、最後の一口まで新鮮な気持ちで向き合える点も、港屋の流儀そのものである。

港屋はカウンターしかない立ち食いそば店だ。立ち食いはあくまでも「スタイル」として捉え、合理性を追求して狭いスペースに極小のスペースのカウンターを配置したものではない。何にも似ていない新奇な価値観を持ったそば屋だ。Minatoya 3では、店内に入って注文し代金を払ったら丸テーブルでそばを待つことになる。

そば屋ながらBGMとしてはやや大きめの音で流れるクラシック音楽。これも従来の港屋と同じ。ただ、そばを待つ間、目の前に見えるのは、生け花やコンクリートの壁ではなく、メルセデスAMG『GT』。これだけは従来の港屋にはなかったところ。クルマづくりの基本は大切にしつつ、新しい価値観を追求し、新しいユーザー層とのタッチポイントの開拓に積極的なのがメルセデスベンツだ。港屋とはぴったりの組み合わせだ。

肉そばというより、つけ麺のように思える一品ながら、店がそば屋であることを実感できる瞬間は、そば猪口でそば湯を飲んだ時だ。そば湯は、丼に用意されたそば粉を自分でお湯に溶いて用意する。そばのゆで汁ではない。来店していた男性の一人は「この蕎麦湯はチェイサーで頂くのがいい。濃い味のつけ汁、それに卵を落としてもこの蕎麦湯を飲めば、どこか男性的で野趣のある肉そばもさっぱり締めくくることができますから」と教えてくれた。

Minatoya 3の営業時間は、昼は午前11時から15時30分まで、夕方は17時から22時までながら、売り切れ次第閉店。

Mercedes me NEXTDOORの1階でメルセデスAMG GTを眺めつつ港屋の味が楽しめる。《撮影 中込健太郎》 エントランスの店名パネル。《撮影 中込健太郎》 メニューはシンプルだ。温かい肉そばとドリンクが数種類のみ。《撮影 中込健太郎》 ただ一つのフードメニューMinatoya 3 Vision "Mercedes AMG-GT Atatakai-Nikusoba"。生卵は「標準装備」だ。《撮影 中込健太郎》 Mercedes AMG GTを眺めつつ食べる、日本で一番行列ができたとの呼び声の高い港屋の味が楽しめる。《撮影 中込健太郎》 蕎麦湯はそば粉を自分で蕎麦猪口に入れてお湯で溶く。濃い目のつけ汁との相性がいい。《撮影 中込健太郎》