日本のフォーミュラ・リージョナルは「童夢F111/3」のワンメイクで競われる。《写真提供 フォーミュラ・リージョナル事務局》

27日、日本新開催となる「フォーミュラ・リージョナル」の2020年シリーズ概要等について、シリーズを運営するフォーミュラ・リージョナル事務局がプレスリリースを発行した。前日26日のJAFの公示を受け、2020年からの開催が正式に発表された、としている。

F1を頂点とするフォーミュラレースの“FIA系ピラミッド”は近年、FIA-F2(2016年までのGP2)とFIA-F4(日本でも2015年から開催中)のあいだ、F3級ゾーンの再編が世界的に進行している。多岐にわたる動きが見られるが、大まかに言うと2019年時点では、従来のGP3を実質的に後継したといえるFIA-F3が国際シリーズ的な存在としてF2の次位に位置し、F3とF4の中間を担うローカルシリーズとして「フォーミュラ・リージョナル」がある格好だ(フォーミュラ・リージョナルは“地域F3”などと呼ばれることも)。

ちなみに日本には「全日本F3選手権」が長く存在、19年の同選手権はいわゆる旧規定F3のシリーズとして存続開催された。そして来季20年は「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」(SFライツ)へと名を変えるなどしつつ新生スタート、スーパーフォーミュラ(SF)やSUPER GT、あるいは国際舞台への進出を目指す若手ドライバーたちが競う舞台としての役割を継続することになっている(20年のSFライツはSF第1〜6戦と併催)。

さて、今回2020年の新開催内容等が正式発表された日本のフォーミュラ・リージョナル、正式名称「FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP」は、SFライツとは「別もの」である。

日本のフォーミュラ・リージョナルのシリーズプロモーターはスーパー耐久シリーズ(S耐)を運営するケーツープラネットで、同社内にフォーミュラ・リージョナル事務局=FRSが設置され、さらにSFのシリーズ運営を手がけるJRPが支援するかたちだ。このあたりの体制面は、19年9月のSF岡山戦において発表されていた。

日本のフォーミュラ・リージョナルのハード面(ワンメイク)は、シャシーが童夢の開発による「F111/3」で、最大出力270hpの直列4気筒インタークーラーターボ1750ccエンジンを搭載、タイヤはダンロップとなる。SF岡山戦ではF111/3のお披露目走行等も実施されていた。初年度デリバリー車両は16台(予定)とのこと。

今回の発表によれば、2020年のフォーミュラ・リージョナルは全6大会のスケジュール。開幕大会(2レース)は6月5〜7日、S耐の富士24時間レースとの併催で実施され、その後は岡山、オートポリス、SUGO、もてぎを転戦、各2〜3レースが行なわれる(オートポリス戦はS耐と併催)。そして10月30日〜11月1日の世界耐久選手権(WEC)富士戦と併催の第6大会(2レース)で閉幕に。全14レースが実施される予定だ。

フォーミュラ・リージョナルが新登場し、SFライツも新生スタートとなる2020年は、日本にとって新たなフォーミュラレースのピラミッドが機能し始める年になる。

19年9月のSF岡山戦でお披露目等が実施された際の「童夢F111/3」。《撮影 遠藤俊幸》 19年9月のSF岡山戦でお披露目等が実施された際の「童夢F111/3」。《撮影 遠藤俊幸》 19年9月のSF岡山戦でお披露目等が実施された際の「童夢F111/3」。《撮影 遠藤俊幸》 19年9月のSF岡山戦でお披露目等が実施された際の「童夢F111/3」。《撮影 遠藤俊幸》 「童夢F111/3」のカラーリング検討用アートワーク。