大槻幸雄氏《画像:日本自動車殿堂》

日本自動車殿堂は11月8日、2019年の殿堂入りとして、「工業デザイン思想」に基づく車づくりを提唱した小杉二郎氏、エンジン滑り軸受解析の道を拓いた染谷常雄氏、大型二輪車の開発によりカワサキブランドを確立した大槻幸雄氏の3名を発表した。

小杉二郎氏は、自動車の新たなデザイン開発に貢献し、当時、社会に馴染んでいなかった「インダストリアル(工業)デザイン思想」の重要性を提唱し、デザインは技術開発と同様の作業工程があることを提示。マツダ『R360クーペ』を手掛けるなど、先駆者として多くの功績を残した。

染谷常雄氏は、エンジンの滑り軸受の振動及び安定性と、油膜圧力との関係を理論解析と実験により明らかにし、滑り軸受の国際標準化や燃焼機構の解明と制御、さらに大気汚染行政への支援とその推進など、学術の発展に貢献した。

大槻幸雄氏は、大型二輪車の開発にて優れた加速性能および最高速度を実現し、また排ガス規制対応のため2ストロークから4ストロークへの転換を図り、『Z1』『Z2』の開発に携わるなど、カワサキオートバイのブランドを確立するとともに、ガスタービン研究に優れた業績を残した。

小杉二郎氏《画像:日本自動車殿堂》 マツダR360(1960年発売)《写真 マツダ》 染谷常雄氏《画像:日本自動車殿堂》