観光ルート動画生成システム《画像:デンソーテン》

奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)とデンソーテン、YuMakeは9月27日、観光型MaaSに関する共同研究契約を締結したと発表した。

共同研究では、NAIST先端科学技術研究科ユビキタスコンピューティングシステム研究室の安本慶一教授、諏訪博彦特任准教授を中心に、デンソーテンが提供する通信型ドライブレコーダーの映像データを活用した都市状況のリアルタイム分析(観光ルート動画生成システムの構築)を推進する。

近年、SNS等の浸透に伴い、動画を参考にして観光ルートを計画する旅行者が増加。都市状況のリアルタイム分析により、おすすめ観光ルートを動画で視聴できるシステムが実現すれば、訪日外国人客の利便性向上にもつながる。また、街の隅々までをセンシングできるドライブレコーダーを活用することで、子どもや高齢者が多い場所・時間帯の把握といった、モビリティを安全かつシームレスに誘導するための補完情報や、観光誘致のマーケティング情報が得られることも期待される。安全運転の支援や事故の記録が主目的であるドライブレコーダーを活用し、幅広く街データを取得する新たな取り組みとなる。

共同研究では、デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「G500」を京都市内の観光タクシー(ヤサカ自動車)に設置し、収集した映像データをNAISTに提供する。NAISTにてデータを解析/分析した後、有用な情報を抽出し、利用者の嗜好や検索条件に応じたおすすめルートの動画を自動生成。画像認識技術によって、桜や紅葉が見られるルートの選択も可能だ。今後はさらに、映像データから路上イベントを把握したり、YuMakeの気象データ解析技術によって、天候の変化による各スポットの混雑度などを自動解析しルートへ反映するなど、リアルタイムな観光情報の充実を図る。