トヨタ自動車 2019年度第1四半期決算 説明会《撮影 小松哲也》

トヨタ自動車の吉田守孝副社長は8月2日に都内で開いた決算説明会で、2021年末まで18の新型車を投入し、その第1弾として9月に『カローラ』のセダンおよびワゴンをフルモデルチェンジする計画を明らかにした。

吉田副社長は「今後2年間でコンパクトから商用、SUVとさまざまなタイプの18のモデルを新たに投入し、約6割を新型車に切り替える体制を実現していく」と述べた。

さらに「その中で今年9月、トヨタのコアモデルであり、1966年の初代から数えて12代目となる『カローラ』のセダンおよびワゴンをフルモデルチャンジする。グローバルモデルと上手に共通化を進めながら、日本専用モデルとしてスタイル、装備も大幅に向上させている」ことも披露した。

会見で吉田副社長は、現行『プリウス』から導入を始めた開発手法であるTNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)の具体的な成果にも触れ、「開発工数はグルーピング開発や部品共用化を進めた結果、導入前のモデルに対して約25%を低減。ここで捻出した工数をCASE等の先行開発に充てている」と説明。

さらに「クルマの導入に伴う設備投資は共有化が進んだ結果、同じ設備で効率的に複数のクルマが生産できるようになり、1ライン平均で約25%を低減。車両原価は構成部品の共有化、種類削減、生産工程の簡素化など徹底的に推し進めた結果、約10%低減することができた」とも明かした。

その一方で「ただし車両販価は環境規制対応や安全装備の拡充などで、お客様の望むレベルには、まだまだ十分ではない状況だと思っている」と指摘し、「もっとお求めやすくご提供できるよう今後ともTPS(トヨタ生産方式)と原価低減に徹底的にこだわり、これらの取り組みをさらに加速させていく」と強調した。

また日本で4月から販売を開始した新型『RAV4』に関しては「TNGAの最初頃に出した『プリウス』と比べても2-3年経つので、その成果がしっかり表れていて、商品力はしっかり上がりながら、スターティングプライスもお手頃な価格260万円からということで、お金に余裕がそんなにあるわけではない30代以下の若いお客様が(購入者の)45%を占めている」

その上で「やはりトヨタのクルマというのは、お客様の求めているクルマをより廉価で出すというこが一番大事だと思う。今年9月に出るカローラ、来年出るコンパクトカーは、より価格的に厳しい(カテゴリーの)クルマだから、お客様の期待に対応できるような価格で出したいと思っているので、是非、期待して欲しい」と締めくくった。

トヨタ自動車 吉田守孝 副社長《撮影 小松哲也》 トヨタ自動車 2019年度第1四半期決算 説明会《撮影 小松哲也》 トヨタ・カローラ(2020年型北米仕様)《撮影 小松哲也》 トヨタRAV4《撮影 小林岳夫》