チェーンテンショナ《写真 NTN》

NTNは、5月22〜24日にパシフィコ横浜で開催される自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」に出展、新開発の「低燃費対応小型チェーンテンショナ」を披露する。

NTNは、自動車のタイミングチェーンの張力を維持する油圧式オートテンショナにて、構造の簡素化によるチェーンテンショナの小型化と、オイル量の大幅な削減によるエンジンの低燃費化に貢献する、低燃費対応小型チェーンテンショナを開発した。

チェーンテンショナは、自動車エンジンのクランクシャフトとカムシャフトを同期して回転させるタイミングチェーンの張力を自動調整する装置。油圧式チェーンテンショナの場合、エンジン内部のオイルポンプから供給されるオイルを用いてチェーンの張力を維持するが、昨今は低燃費化を目的にオイル使用量の削減が求められている。また、エンジン停止時にはオイルポンプの駆動が止まりオイルの供給も停止するため、再始動時にはオイルの供給が不十分となり、チェーンの張力不足による異音が発生しやすいという課題があった。

今回開発した低燃費対応小型チェーンテンショナは構造を簡素化し、小型・軽量化を実現するとともに、オイルポンプからテンショナに供給、排出しているオイルをテンショナ内部に貯留させる構造とし、高い信頼性・耐久性を維持しながら、必要な供給オイル量の大幅な削減を可能にした。オイル量削減によりオイルポンプの小型化が可能となり、ポンプ稼働の負荷を減らし、エンジンの低燃費化に貢献する。また、テンショナ内部にオイルを貯留する構造としたことで、エンジン始動直後にも適正な油圧でチェーンの張力を維持でき、チェーンの張力不足による異音を抑制する。

チェーンテンショナ:カットモデル《写真 NTN》 タイミングチェーンシステム《図版 NTN》