近未来のコンパクトハッチの姿をアピールした「X-Concept」《撮影 会田肇》

マレーシア国内で最大のシェアを持つプロドゥアがクアラルンプールモーターショー2018(KLIMS 2018)で披露したのは、コンパクトハッチならではの実用性とコネクティビティをワンパッケージ化したコンセプトカー『X-Concept』だ。プロドゥアが目指す、近未来のコンパクトハッチの姿をアピールした。

プロドゥアは1993年にプロトンに続くマレーシア第二の国産メーカーとして誕生したが、スモールカーを主力としたことで人気に火が付き、2006年以降からはマレーシア国内でトップシェアを維持。2017年末には2位以下を大きく引き離すダントツのシェアを獲得するに至っている。

その原動力となっているのが、2005年に発売したコンパクトハッチ『マイヴィ』の登場だ。その登場の背景には資本関係にあるダイハツからの技術協力があった。初代と2代目はダイハツが開発した『パッソ/ブーン』をベースとした派生車種。2017年々から発売している3代目もボディや内装をプロドゥアのオリジナルとしたが、車体のベースはパッソ/ブーンだ。つまり、プロドゥアとダイハツは技術協力面で深い関係にあるというわけだ。そんな状況を表すかのように、この日のプレスカンファレンスには大勢のダイハツ関係者の姿があった。

このコンセプトカーはベース車両があり、2014年にインドネシア・ジャカルタで開催されたモーターショーでダイハツが『CUV2』として発表したものだが、4年の時を経て車体の前後だけでなく、シートデザインを含むインテリアまでもプロドゥアがオリジナルデザインへと変更。同社が目指す次世代の主力車種へと発展させている。会場内には、ダイハツが開発したパワートレインやコネクテッド系のショーケースを展示するなどして、X-Conceptの目指す方向性などを察知することができた。

人気のマイヴィをスポーティ・バージョンとした「マイヴィGT」も出展した。ボディをややローダウンさせ、スポイラーで周囲を取り囲んだデザインは、見た目にもかなりカッコイイ!前後のバンパーはオリジナルよりも大型化され、ホイールも17インチへグレードアップ。内装もアルカンターラを使ったバケットシートに加え、ブラックベースとした内装には赤いストライプを配色するなど、その仕上がりはスポーツ気分を高めさせてくれるのに十分だ。完成度も高く、近い将来、マレーシア国内で販売されるものと思われる。

それと何やら秘密めいた展示となっていたのが、プロドゥアが“次世代SUV”とするティザー出展だ。そのシルエットが垣間見えるようにしたボックスに囲われ、周囲に用意された小さな穴から覗けるのみで、詳細はまったくわからない。ただ、各所を見ていくうちにそのスタイルが、インドネシアで販売されているトヨタ『ラッシュ』(ダイハツ『テリオス』のOEM車)ではないかと推察できるようになった。会場にいた担当者によれば2019年中に販売される予定だという。

「X-Concept」《撮影 会田肇》 「X-Concept」《撮影 会田肇》 「X-Concept」コネクテッドで役立つ大型ディスプレイを備える《撮影 会田肇》 「X-Concept」車内は大人5人が座れる空間《撮影 会田肇》 プレスカンファレンス前に、ローク運輸大臣'(矢印)が訪れた《撮影 会田肇》 「X-Concept」をイメージしたパワートレーンはハイブリッド?《撮影 会田肇》 プロドゥアの代表Datuk Aminar氏《撮影 会田肇》 「マイヴィGT」《撮影 会田肇》 「マイヴィGT」前輪のディスクブレーキにはブレンボ製が採用されていた《撮影 会田肇》 「マイヴィGT」《撮影 会田肇》 「マイヴィGT」《撮影 会田肇》 「マイヴィGT」《撮影 会田肇》 「X-Concept」のイメージ《撮影 会田肇》 広々とした空間で展開したプロドゥアのブース《撮影 会田肇》 次世代SUVのティザー出展も行われた《撮影 会田肇》 シルエットからトヨタ・ラッシュをベースとしたモデルと終われる《撮影 会田肇》 用意された周囲の穴からは一部が見えた《撮影 会田肇》