プリムラモデスタの吸水・消臭機能付カーシート「ミラクルシート」《撮影 山田清志》

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のブースでは毎回、中小企業が開発した福祉機器が数点展示されている。今回も6種類の製品が並んでいたが、そのなかで面白いものを発見した。

プリムラモデスタ(本社・福岡県北九州市)の「ミラクルシート」と呼ばれる製品がそれだ。吸水・消臭機能付のカーシートで、小便を吸水し、アンモニアを分解して臭いを大幅に軽減するのだ。

「福祉施設などの送迎時、お年寄りの方が車内で小便を漏らしてシートを汚してしまうケースがあり、その対策のためにこの製品を開発しました。汚れたシートの清掃を業者に頼むと5万円もかかるので、なんとかならないかという声があったのです」と同社関係者は話す。

ミラクルシートは4層構造になっており、そのうえ特殊縫製技術によってつくられている。そのため、表面水分を拡散することなく、瞬時に吸水する。仮にそのシートに向かって立ち小便をしても跳ね返りはないそうだ。もちろん表面はさらっとしている。

「前席用のものが500cc、後席用のものが1000ccの吸収能力があります。使用後の扱いも簡単で、シートの中央にあるフック環にフックを通して干すだけです。300回以上繰り返し使うことができ、選択してもその機能は落ちることはありません」と同社関係者は説明する。

介護向けの商品として開発されたものだが、子どもやペットをつれて旅行に出かけるときにあるといいかもしれない。なにしろ交通渋滞にはまったりすると、なかなかトイレのあるところまでいけず、小便を漏らしてしまう可能性があるからだ。そんなとき、シートに座りながらパンツを脱いで小便をすればいいわけだ。ちなみに価格は前席用が5000円、後席用が1万円となっている。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のブース《撮影 山田清志》