アウディのメキシコ工場

アウディ(Audi)は8月30日、プレミアム自動車メーカーとして初めて、工場の生産過程で排水をゼロにすることに成功した、と発表した。

これは、アウディがメキシコ新工場で実現したもの。同工場では、生産過程で出る排水の100%を回収し、精製。大量のきれいな水を工場の給水システムに戻す新しい水処理プロセスを導入している。

水は塗装など、自動車生産の全工程において必要。アウディのメキシコ工場の排水はまず、水を中和し、粒子や重金属を塗料工場から取り除く化学処理を受ける。その後この水は、有機成分を分解し、プラント内の残存廃水と一緒に処理される。

最後に、限外ろ過と多段階逆浸透の組み合わせにより、細菌やアルカリを含む残りの汚染物質を分離する。逆浸透された濃縮物は蒸発し、脱水された固形物は処分される。このようにしてアウディは、衛生的で高品質の再生水を工場で再利用する。

アウディはこのプロセスにより、工場で必要な水の約4分の1に相当する年間約10万立方mの水を節約。長期的には、毎年30万立方m以上の地下水を節約する予定、としている。