交通トラブルから相手方のバイクに対する煽り行為を行い、幅寄せによる路外逸脱・転倒事故を誘発したとして、事故当時は医師として勤務していた男が危険運転致傷やひき逃げの容疑で逮捕された。容疑は否認している。

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3月中旬、神奈川県伊勢原市内の市道で交通トラブルからバイクを煽るように走行し、幅寄せによる転倒事故を誘発したとして、神奈川県警は21日、医師として勤務していた25歳の男を危険運転致傷などの容疑で逮捕した。

神奈川県警・交通捜査課、伊勢原署によると、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕された伊勢原市内に在住する25歳の男は、2018年3月18日の午後1時40分ごろ、伊勢原市坪ノ内付近の市道交差点を乗用車で左折した際、後方から接近してきたバイクの進路を塞ぐ状態となり、このバイクを運転していた45歳の男性が男に注意してきたことによってトラブルとなった。

男は男性のバイクを追走。煽り行為で走行を妨害するとともに、伊勢原市三ノ宮付近の市道(車線区別なし幅員約5mの緩やかなカーブ)で幅寄せによる進路妨害を行い、これによってバイクの路外逸脱を誘発。バイクは転倒し、男性は路外に立っていた石柱に衝突して足を骨折するなどの重傷を負っている。

クルマは逃走したが、男は約1時間後に同僚に連れられて現場へ戻ってきたことから任意で事情を聞いていたが、警察は「交通トラブルが発端となり、煽り行為の結果として相手車両の転倒事故を誘発した」と判断。男を危険運転やひき逃げなどの容疑で逮捕したという。

聴取に対して男は煽り行為については否認し、ひき逃げについては「事故が起きたことは後に知った。逃げたわけではない」などと供述しているようだ。警察では相手方の男性からも事情を聞き、事故に至った経緯を詳しく調べている。

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逮捕された男については、事故当時は医師として現場近隣の病院で勤務していたが、逮捕時の発表では元医師となっている。医師法では倫理規定があり、負傷者の救護を怠ったまま逃走するような「ひき逃げ事件」等の悪質行為については医業の停止(医師免許の停止)など、重大な行政処分が科せられることもある。

トラブルの発端は「男が運転するクルマが後方の安全確認を怠り、漫然と左折したこと」と、「進路を塞ぐような突然の左折に対し、バイク運転者が男に対して注意したこと」とみられているが、一般的に責任が重いのは漫然と左折を開始したことであろう。注意されたことを根に持ち、追走を開始したのであれば、それも男の側に責任が重いということになる。