国土交通省は30日、ディーゼル乗用車の不正を防止する一環で、路上走行時の排出ガス試験を導入すると発表した。

2015年9月に発覚したフォルクスワーゲンによるディーゼル車の排出ガス不正では、当局による試験であることを検知すると排出ガスを低減するソフトウエアが搭載されていた。これを受けて、国土交通省、環境省では有識者による「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」を設置し、これら事案の再発防止を検討してきた。

今回、対策の一つとして路上走行時の排出ガス試験の導入を決定し「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の一部を改正した。路上走行時の排出ガス試験は、自動車に車載式排出ガス測定システム(PEMS)を搭載し、路上を走行しながら排出ガスを測定する。規制では、走行試験で排出される窒素酸化物(NOx)の規制値を、台上排出ガス試験による規制値の2倍とする。

対象はディーゼル乗用車。新型車は2022年10月1日、継続生産車は2024年10月1日から適用する。