先月下旬に広島市内で発生した重傷ひき逃げ事故で、警察は現場から逃走したバイクの運転者を逮捕した。事故直前、現場方向へ進行していくバイクを路線バスに搭載されたドライブレコーダーが撮影していた。

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先月下旬、広島県広島市中区内の市道で発生した重傷ひき逃げ事件について、広島県警は15日、同市内に在住する男をひき逃げ容疑で逮捕した。事故直前に通過した路線バスのドライブレコーダー映像から車両を特定したという。

広島県警・広島中央署によると、問題の事故は2018年2月24日の午後6時50分ごろ発生している。広島市中区江波西1丁目付近の市道(片側1車線の直線区間)で、道路右側の路側帯を歩いていた6歳の男児に対し、対向してきた原付バイクが衝突。車道に投げ出された男児は後続の乗用車にもはねられて重傷を負ったが、最初に衝突したバイクはそのまま逃走した。

警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。現場付近に設置された防犯カメラ映像などの分析を進めていたが、事故直前に付近を走行していた路線バスに搭載していたドライブレコーダーが現場方向へ走行していくバイクを撮影していたことが判明し、これを元に現場周辺での車当たり捜査を実施したところ、同区内に在住する25歳の男が容疑に関与した疑いが濃厚となり、15日に自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

警察の聴取に対して男は「事故を起こしていないし、当日に事故現場も通っていない」などと供述。容疑への関与を否認しているという。警察では慎重に裏付け捜査を進めるとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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ドライブレコーダーが撮影していたのは「現場方向へ進行していくバイク」であり、事故の瞬間を撮影していたものではないという。逮捕された容疑者は事故への関与を否認しており、今後は容疑車両に残された痕跡などの裏付けを進めていくものとみられる。