埼玉高速鉄道は2018年春に通学定期券を値下げする。写真は浦和美園駅。《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》 

埼玉高速鉄道は6月20日、通学定期旅客運賃を2018年春に改定すると発表した。割引率を引き上げて値下げする。

埼玉高速鉄道は、赤羽岩淵(東京都北区)〜浦和美園(さいたま市緑区)間14.6kmの埼玉高速鉄道線を運営。赤羽岩淵駅で東京地下鉄(東京メトロ)南北線と接続し、相互直通運転を行っている。

現在の通学定期券は大人・1カ月の場合、割引率が48.6〜50.5%。1〜3kmが6480円、14〜15kmは1万4190円となっている。改定後は割引率を一律60.0%とし、1〜3kmは1440円安い5040円に。14〜15kmは2910円安い1万1280円にする。

埼玉高速鉄道は「新たな子育て世代を沿線地域に誘導し、沿線地域の開発を促進することで、今後の人口減少・超高齢社会における経営自立化を確実なものとするため」などとし、通学定期券を値下げするとしている。

最近は一部の鉄道で通学定期券の値下げが相次いでいる。今年4月には、横浜シーサイドライン(神奈川県)や富士急行(山梨県)、大阪高速鉄道(大阪府)、神戸新交通(兵庫県)が通学定期券を値下げした。少子化が進むなか、沿線自治体が取り組んでいる子育て支援策の一環として、あるいは沿線の高校からの要請を受けるなどして値下げしたケースが多い。

ただし、通学定期を値下げした各社の運賃は周辺他社の路線に比べ、もともと運賃が高い。埼玉高速鉄道の場合、近隣のJR線の定期運賃は通学(高校生)・1カ月で赤羽〜川口間2.6kmが2030円、赤羽〜与野間14.4kmが5040円。予定通り値下げしたとしても、JR線より数千円高い状態が続く。

埼玉高速鉄道は2018年春に通学定期券を値下げする。写真は川口元郷駅。《撮影 草町義和》