優勝した#12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)《撮影 益田和久》

三重県・鈴鹿サーキットで28日、SUPER GT第5戦の決勝レースが行われ、最後尾スタートの#12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が残り3周でトップに浮上し、大逆転優勝を決めた。

5月29日に開催された第3戦に続き、再び鈴鹿サーキットを舞台に開催された第5戦。レース距離は300kmから450kmに変わり、第3戦とは違う戦略が必要となってくる。前日に行われた予選では#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が3年ぶりのポールポジションを獲得。以下#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)、#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)と続いた。

決勝レースは77周。スタートで大きな順位の変動がなく、静かなスタートとなった。今回は2度の給油が義務付けられているが、上位では17周目にトップの#23 MOTUL AUTECH Zロニー・クインタレッリが給油のためにピットイン。5位の#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z千代勝正は19周目、3位の#38 ZENT CERUMO GR Supra立川祐路は26周目、2位の#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京が27周目、そしてトップに立っていた#17 Astemo NSX-GT松下信治が29周目に1度目のピットインを行った。

全車が1度目のピットインを終えた34周目、笹原から大湯都史樹にドライバーチェンジしたRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがトップに立ち、ポールポジションからスタートしたMOTUL AUTECH Zのクインタレッリは2位に落ちていた。以下、ZENT CERUMO GR Supra石浦宏明、Astemo NSX-GT塚越広大、そして序盤7周目にピットインした#8 ARTA NSX-GT福住仁嶺が12位から5位に上がってきていた。

MOTUL AUTECH Zクインタレッリは早くも41周目に2度目のピットインを敢行。ドライバーを松田次生に交代した。同じ周にARTA NSX-GT福住もピットインを行い、野尻智紀に交代した。その頃、トップのRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯、2位のZENT CERUMO GR Supra石浦、3位のAstemo NSX-GT塚越が急接近。数周に渡り激しい三つ巴のバトルが繰り広げられたが、前に出られないAstemo NSX-GT塚越は48周目に2度目のピットインを行った。

ところが49周目にアクシデントが発生。マシンの撤去とスポンジバリア修復のためにセフティーカーが出動したが、この時点でRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、ZENT CERUMO GR Supra、WedsSport ADVAN GR Supra、#37 KeePer TOM'S GR Supraのトップ4は2度目の給油が未完了。セフティーカーの先導で、2度目の給油を済ませている5位以下との差がなくなるため、優勝争いから脱落することが確定した。

レースが再開するとトップ4は次々と脱落。Astemo NSX-GT塚越がトップに立ち、最後尾スタートからコース上でのバトルを次々と制し、ピットストップのタイミングでもうまく順位を上げてきた#12 カルソニックIMPUL Zの平峰一貴が2位に上がってきていた。3位のMOTUL AUTECH Z松田と激しいバトルとなり、松田が前に出る場面も。しかしそのバトルの最中に松田が平峰をコース外に押し出したことが審議され、松田にドライブスルーのペナルティが下された。

これで2位の座を確定させたカルソニックIMPUL Zの平峰は、6秒あったAstemo NSX-GT塚越との差を徐々に縮め、74周目にはテールトゥノーズに。平峰はヘアピンで一気に塚越を抜き去り、トップに浮上した。ここから残り3周、塚越のマシンには前を追う速さは残っておらず万事休す。#12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が、最後尾スタートから大逆転優勝を飾った。

2位は#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、3位は#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)。以下#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)、#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)と続いた。

GT300クラスは#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)がポールポジションを獲得。常に上位争いを繰り広げたが、5番手スタートの#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が堂々のレース運びをみせ優勝した。#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)は2位。3位には#30 apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)が入った。

次戦、SUPER GT第6戦は9月17日・18日の日程でスポーツランドSUGOを舞台に開催される。

■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT500クラス決勝結果(トップ10)
1. #12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
2. #17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
3. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
4. #3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
5. #23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
6. #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
7. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
8. #37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)
9. #36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)
10. #24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)

■SUPER GT第5戦鈴鹿、GT300クラス決勝結果(トップ10)
1. #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
2. #10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)
3. #30 apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)
4. #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
5. #6 Team LeMans Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン)
6. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)
7. #20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎/山田真之亮)
8. #2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)
9. #87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)
10. #56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

優勝した#12 カルソニック IMPUL Zの平峰一貴(左)とベルトラン・バゲット(右)《撮影 益田和久》 2位の#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)《撮影 益田和久》 3位の#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)《撮影 益田和久》 ポールポジションからスタートした#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)《撮影 益田和久》 GT300クラス優勝の#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)《撮影 益田和久》 GT300クラス2位の#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)《撮影 益田和久》 GT300クラス3位の#30 apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)《撮影 益田和久》 GT300クラス表彰式《撮影 益田和久》 SUPER GT 第5戦の風景《撮影 益田和久》