優勝した#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)《撮影 竹内英士》

栃木県・モビリティリゾートもてぎで21日、スーパーフォーミュラ第8戦が行われ、ファイナルラップの大バトルを制した#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が優勝。#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)が2位に入りチームインパルが14年ぶりとなる1-2フィニッシュを飾った。

前日の第7戦に引き続き、モビリティリゾートもてぎで8日に第8戦が開催された。午前中に行われた予選では、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が初のポールポジションを獲得。2番手には第7戦2位の#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、3番手にはランキングトップの#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)がつけた。第7戦でポールトゥウィンを飾った#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は8番手と低迷した。

決勝レースは37周。前日と打って変わって晴天のもと、ドライコンディションで決勝レースを迎えた。大湯はスタートを決めてトップをキープ。野尻が2位に上がり、フェネストラズは3位に落ちた。大湯は1周目から野尻を1秒以上引き離し、2周目には2秒以上の差をつけ独走体制に。しかし野尻は4周目にファステストラップを叩き出すなど大湯との差を詰め、8周目にはその差を1秒以内に縮めてきた。

10周目から義務付けられているピットストップが行えるが、ここで6位走行中の#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)がピットイン。16位でコースに復帰した。11周目に6位に上がっていた#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がピットイン。関口の後ろでコースに復帰した。

2位走行中の野尻は15周目にピットイン。コースに戻ると関口はすでに1コーナーを回っており、さらには後ろから迫られた牧野にも先行された。先にピットストップを行ったドライバーが有利にレースを進める状況だ。翌周にピットインした大湯も野尻の後ろに。これでピットストップ前と完全に前後が入れ替わる結果となった。

ピットストップを済ませた組はトップが関口、2位牧野。以下野尻、大湯、フェネストラズと続いていた。ピットイン未完了組では#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)が見かけ上のトップを走行していたが、関口らとの差は約20秒。ピットストップを行うと5位前後に落ちる計算だったが、最後の望みをかけてトップを独走していた。

その平川がピットインしたのは29周目。野尻の前、実質上の3位でコースに復帰したが、野尻は3コーナーでオーバーテイクを決めて平川の前に出た。しかし14周使った野尻のタイヤと平川の新品タイヤにはグリップに大きな差があり、32周目には平川が野尻を抜いて3位に浮上。そして34周目には牧野を抜いて2位に上がってきた。残り3周、この時点で平川と関口の差は約1秒。同じチームインパル同士の優勝争いだが、このチームに限ってはチームメイト同士でも真剣バトルが要求される。残り2周で追い付いた平川は各コーナーでバトルを挑み、ファイナルラップの90度コーナーでついにサイドバイサイドに。2人は並んだままコーナーを立ち上がり、行き場を失った平川はコース外に押し出され、縁石でジャンプしながらもスロットルを緩めなかった。

しかしコース上を走行していた関口のほうが速く、これで決着。関口が今シーズン初優勝を飾った。平川が2位でチームインパルが1−2。これは2008年第2戦鈴鹿での松田次生、平手晃平以来、実に14年ぶりとなる1-2フィニッシュとなった。

3位は#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。ランキングトップの野尻は4位でフィニッシュした。

次回は10月29日・30日の日程で鈴鹿サーキットが舞台となり、29日は第9戦が、30日は今シーズンの最終戦となる第10戦が行われる、

■スーパーフォーミュラ 第8戦決勝レース結果

1. #19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
2. #20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
3. #5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
4. #1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
5. #65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
6. #4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
7. #53 佐藤蓮(TEAM GOH)
8. #15 笹原右京(TEAM MUGEN)
9. #39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
10. #38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
11. #64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
12. #50 松下信治(B-Max Racing Team)
13. #18 国本雄資(KCMG)
14. #6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
15. #37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
16. #55 三宅淳詞(TEAM GOH)
17. #7 小林可夢偉(KCMG)
18. #14 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
以上完走

--. #3 山下健太(KONDO RACING)
--. #36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
--. #12 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

表彰式《撮影 竹内英士》 2位の#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)《撮影 竹内英士》 3位の#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)《撮影 竹内英士》 4位の#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)《撮影 竹内英士》 5位の#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)《撮影 竹内英士》 6位の#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)《撮影 竹内英士》 スタートシーン《撮影 竹内英士》 予選でポールポジションを獲得した#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)《撮影 竹内英士》 前日にポールトゥウィンを達成した#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は11位で入賞ならず《撮影 竹内英士》