タブレット式認知機能検査システム「MENKYO」《写真提供 DeNA》

DeNAグループの日本テクトシステムズは、高齢運転者認知機能検査関連の法改正に準拠したタブレット式認知機能検査システム「MENKYO」を全国の県警・検査施設に提供。富山県警察本部・16の教習所にて本格運用が始まった。

また今年度中に、富山県以外でも18府県の運転免許センターおよび認定教習所等の施設でも運用の開始を予定、さらに警視庁でも実証実験を開始し、今後全国的な運用の展開が予定されている。

現在、75歳以上の高齢運転者は、免許更新時もしくは一定の違反時に認知機能検査の受検が義務付けられており、毎年全国で約200万人が対象者として運転免許センターや自動車教習所などで、紙による検査が実施されている。紙による検査は、受検者、検査者のどちらにとっても負担が多く、恒常的な待機期間の長さ、コロナ禍における予防措置など多くの課題が存在していた。5月13日施行の改正道路交通法では検査の構成が簡素化され、さらにタブレット式の採用により、検査〜採点〜結果通知までの大幅な時間の短縮、飛沫拡散機会の減少など多くの課題を解決している。

MENKYOは、タブレットによる高齢運転者の認知機能検査システムだ。タブレット端末に設問を表示するとともに、ヘッドフォンを通じて音声検査ガイドを自動出力。受検者はタッチパネル上に専用ペンで自筆回答する。これらの機能により、検査会場の環境に依存せずに受検者の聴覚能力に合わせた音量で検査ができるようになること、また受検者それぞれが個々のペースで進められることなどから、受検者それぞれに適した状況での検査が可能になる。

また、検査結果の自動採点機能や採点補助機能により、結果報告書の作成が効率的にできるため、検査員の作業負担を大幅に軽減する。さらに、検査後速やかに結果を受検者にフィードバックできることから、受検者一人当たりに要する時間を短縮。認知機能検査の予約待機問題解消への貢献も期待できる。