ワイヤレスデジタルキーシステムのデモ機の開発範囲《画像提供 アルプスアルパイン》

アルプスアルパインは4月26日、セキュリティー技術をグローバルに事業展開するドイツのギーセッケ&デブリエントと、CCCのグローバル標準規格に準拠するワイヤレスデジタルキーシステムを共同開発したと発表した。2025年に市場投入される新車への採用を目指す。

CCC(Car Connectivity Consortium)は民生機器と自動車の接続ソリューションの技術規格や互換認証プロセスの標準化を推進する業界横断の組織。規格にはICクレジットカードやモバイル決済で利用される高度なセキュリティ技術が盛り込まれており、車載通信デバイスに加え通信セキュリティ分野で深い知見と高度な技術が求めらる。欧州の自動車メーカーを中心に、CCCのグローバル標準規格に準拠したシステム構築がサプライヤーに求められている。

両社は2020年12月からCCCのグローバル標準規格に準拠したワイヤレスデジタルキーシステムの共同開発に着手した。ギーセッケはサーバー側でのセキュアなデジタルキーの鍵発行・管理システムの開発を担当する。

アルプスアルパインが自動車とスマートフォンを通信接続するための各種通信モジュールと、ECUで構成するキーレスエントリシステムの開発を担当する。スマートフォン側での鍵生成、保存のためのソフトウェア開発キットも開発する。また、ギーセッケが開発したシステムをサービスとして構築し、自動車メーカーに提供し、運用開始後のサーバーの管理・運営も担当する。

システムは、2025年発売の新車への採用を目指し、デモ機を利用して拡販を進める。

CCCが最新の規格として検討している「Digital Key Release 3.0」への対応も進めており、大手スマートフォンメーカーが開発する規格への対応も目指す。さらに、自動車以外のパーソナルモビリティや住宅など、さまざまな鍵の解錠/施錠ソリューションとしても提案する。