共同経営計画の基盤となる「並行モード連携モデル」。定期券を含むJRの切符でバスを利用できる。《資料提供 四国旅客鉄道、徳島バス》

JR四国は3月3日、徳島バスと徳島県南部で行なう共同経営計画を発表した。4月1日の実施を予定している。

これは、2020年の通常国会で成立し、同年11月に施行された「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律」(いわゆる「地域特例法」)に基づいて実施されるもの。

同法は地域における基盤的なサービスを維持する必要性が高いバス事業者や、それに融資する地方銀行、第二地方銀行を対象に、独占禁止法(独禁法)ではカルテルとして認めていない合併、企業統合、路線調整、運賃協定などを特例として認めている。

これにより、単独で経営維持する体力に乏しい地方のバス事業者と競合する他の交通機関が共同経営の協定を結ぶことにより、運賃や運行便数の調整などを行なうことが可能となった。

今回、発表された共同経営計画では、徳島バスの高速バス路線である室戸・生見・阿南大阪線のうち阿南駅〜浅川間と、JR牟岐線阿南〜浅川間を対象に、JRの切符で徳島バスを利用できるようになるとしている。これにより阿南〜牟岐間の場合、JRの運賃970円でバスを利用できる(バスの運賃は1100円)。

また、牟岐〜徳島間で阿南乗換えでバスとJRを乗り継ぐ際は、これまで双方の運賃(バス1100円、JR560円)を合算していたが、共同経営実施後はJRの運賃1470円が通しで適用される。ただし、JRの切符を購入せずにバスを現金で利用した場合は、従来どおり、合算となる。

共同経営区間の概要。対応する停留所・駅は6か所。《資料提供 四国旅客鉄道、徳島バス》 共同経営区間における取扱いイメージ(右)。現在、徳島バスは、牟岐線の減便を受けて、鉄道と道路が並行する阿南〜甲浦(かんのうら)間で途中乗降を認めているが、運賃は別々の取扱いとなっている(左)。《資料提供 四国旅客鉄道、徳島バス》 日和佐駅《写真提供 写真AC》