ホンダは10月21日、スマートフォン向けなどに使われているモバイルバッテリーを電動アシスト自転車のバックアップ電源としても活用できるようにしたシェアサイクル用2電源システムを開発したと発表した。
ホンダでは2022年中にもシェアサイクル事業者と同システムを用いた実証実験を共同で実施し、早期の事業化を目指したい考え。また電動キックボードなど他のパーソナルモビリティへの適用拡大も検討したいとている。
システム開発に携わったモビリティサービス事業本部eMaaS戦略企画部の友谷浩之チーフエンジニアは「これまでのような専用のバッテリーだけではなく、一般的な多用途に使えるモバイルバッテリーも動力源として、そして同時に電力供給できる仕組みを開発し、特許化した」と話す。
具体的には「漕ぎ出しの加速時や全力で漕いて早く走る時、または坂を上る時など高出力が必要な際には本体のバッテリーおよびモバイルバッテリーが協力してアシストしてい。モバイルバッテリーがサポートすることで本体バッテリーの減りが大幅に抑えられる。また平地など緩やかに漕いでる時にはモバイルバッテリーだけでモーターを動かす。さらにモーターを動かすだけではなく、少し余る電力を本体バッテリーの充電も同時に行う」という。
さらに「通常のモバイルバッテリーは出せる電圧値が低く、そのままだと電動アシスト自転車のモーターの動力源として使うには力不足だが、必要な電力を送り込める昇圧DC/DCコンバーターを備えた後付けキットを使うことで、シェアサイクル事業者が簡単に導入できる」のも特徴となっている。
友谷チーフエンジニアによると、ホンダ独自の調査でシェアサイクル利用者の半数近くが充電不足に対する不満を感じているという。その一方でシェアサイクル利用者の半数近くがモバイルバッテリーを普段から持ち歩いていることもあり、今回のシステムの開発に至ったとしている。
ただ、既存のスマホなどで使われているモバイルバッテリーでは出力が低く車両本体のバッテリーをサポートするには不十分なため、「サービス開始時点では指定するバッテリーを利用する形を想定している」としながらも、「いずれは普段使っているモバイルバッテリーが使えるようにしたい」と友谷チーフエンジニアは話していた。
ホンダ、シェアサイクル用2電源システムを開発…早期の事業化をめざす
2021年10月21日(木) 18時00分
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