「AIAAリード航空賞」を受賞した藤野道格ホンダ エアクラフト カンパニー社長《写真提供 ホンダ》

ホンダは、航空機事業子会社である「ホンダ エアクラフト カンパニー」(米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市)の藤野道格社長が、米国航空宇宙学会(AIAA)から「AIAAリード航空賞」を8月12日に受賞したと発表した。

同賞は1932年に創設された顕彰制度で、極めて重要な航空機設計や技術の進歩に寄与するなど航空工学分野での成果を対象にしている。この分野では世界的にも最高峰の賞という。藤野社長は「HondaJet(ホンダジェット)」で全く新しい航空機設計を行い、主翼上面エンジン配置形態や自然層流技術などの「先進的な空力および構造技術の発明」(同学会)が評価された。

同賞の受賞者には、歴史的な航空機などの開発に携わった技術者が名を連ねているが、藤野社長は日本人としては初めての受賞となった。

今回の受賞に対し、藤野社長は「ホンダジェットの設計と技術に対して、AIAAという航空宇宙分野で世界最大の学術団体から重要な技術革新であると認められたことを大変うれしく思う。ホンダ エアクラフトはモビリティーテクノロジーのリーディングカンパニーとして、今後も業界の新しいスタンダードとなる先進技術の研究開発に取り組んで参る」との談話を発表した。

ホンダジェットは、主翼上面エンジン配置形態、自然層流翼・自然層流胴体ノーズなど複数の独自先進技術を採用し、クラス最大の航続距離や巡航速度、運用高度とともに、高い燃費性能などを実現している。同機が属する小型ジェット機カテゴリーでは、2017年から20年まで4年連続で世界トップのデリバリー数となり、最多の販売を達成している。

ホンダジェット(HondaJet Elite)《写真提供 ホンダ》