フィスカーの次世代EV「PEAR」プロジェクトのイメージスケッチ《photo by Fisker》

ヘンリック・フィスカー氏が率いるフィスカー(Fisker)は5月13日、フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集団)と正式に提携を結んだ、と発表した。両社は、次世代EVを開発・生産するプロジェクトで協力していく。

◆シャープの親会社であり「iPhone」の生産を請け負うフォックスコン

フォックスコン・テクノロジー・グループは、台湾に本拠を置く。Apple社の「iPhone」の生産を請け負っており、シャープの親会社としても知られている。

今回の提携では、両社は「PEAR」(パーソナル・エレクトリック・オートモーティブ・レボリューション)と呼ばれるプロジェクトを立ち上げる。両社が共同で新しいセグメントの次世代EVを共同開発する。この次世代EVは、『オーシャン』に続くフィスカーブランドの第2のEVになるという。

さらに、今回の提携では、両社が共同開発する次世代EVを、フォックスコン・テクノロジー・グループが生産する。また、この次世代EVは、年間25万台以上の生産を目指す。北米、ヨーロッパ、中国、インドを含む世界市場への投入を計画している。

◆2023年内に共同開発した新型EVの生産を開始する計画

今回の提携に基づき、フィスカーとフォックスコン・テクノロジー・グループは、共同でプロジェクトPEARに投資する。また両社は、新しい軽量プラットフォームの「FP28」を共同開発していく。

さらに両社は、プロジェクトPEARを推進するために、米国と台湾にプログラムマネジメントオフィスを設立した。プログラムマネジメントオフィスが、設計、エンジニアリング、購買、生産に関する業務を調整する。米国内に置く生産拠点の場所を決定した後、両社は2023年第4四半期(10〜12月)、新型EVの生産を開始する計画だ。

フィスカーのヘンリック・フィスカー会長兼CEOは、「プロジェクトPEARからの製品ブレークスルーのコミットメントを実現するために、製品開発、調達、製造のあらゆる側面を見直す必要があった。フォックスコン・テクノロジー・グループとのパートナーシップにより、業界初のEVを手ごろな価格で提供することができる」とコメント。

フォックスコン・テクノロジー・グループのリュー・ヤンウェイ会長は、「フィスカーとのパートナーシップが、エキサイティングなスピードで正しい方向に向かっていることをうれしく思う。フィスカーとの協力は、3 +3ビジョンに沿うもの。また、EV向けオープンプラットフォームのMIHのおかげで、プロジェクトPEARのために、世界中のサプライヤーと協力できるようになる。チップセットと半導体の信頼性の高い供給を確保するために、世界クラスのサプライチェーンを整備していく」と述べている。

◆オーシャンの量産プロトタイプはロサンゼルスモーターショー2021で発表予定

また、フィスカーは2022年第4四半期(10〜12月)、最初の市販モデルのオーシャンの生産をヨーロッパで開始する予定。2021年のロサンゼルスモーターショー2021では、オーシャンの量産プロトタイプをワールドプレミアする。

プロジェクトPEARは、オーシャンに続くフィスカーの2番目の市販モデルになる。フィスカーによると、プロジェクトPEARは、デザインやインテリアの機能性、コネクティビティなどのユーザーエクスペリエンスの面で、新基準を標榜。驚異的なデザインと革新性を備え、3万ドル(約328万円)を切る価格で発売する、としている。
The DEAL! Signed and sealed! The design is going to be freaking amazing! #Fisker #Love #EVs #ESG #freaking #innovation pic.twitter.com/TGjCCx8Utz— Henrik Fisker (@henrikfisker) May 13, 2021

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