北米向け新型自動物流車両《写真提供 豊田自動織機》

豊田自動織機は、自動運転フォークリフト(AGF)、無人搬送車(AGV)、自律移動搬送ロボット(AMR)等の自動物流車両・機器を統合制御するシステム開発の新会社「T-Hive. B. V.」を2021年4月、オランダに設立したと発表した。

新会社は、豊田自動織機グループ各社が蓄積してきたソフトウェア製品やノウハウをもとに、グローバルで汎用性の高い統合制御システムを新規開発。また、物流ソリューション事業におけるソフトウェア開発の中心的役割を担い、グループ各社に世界共通ソリューションを提供する。

近年、eコマース市場の伸長による荷量の急増、荷物の小口化、労働者不足等による物流現場の自動化が進展する中、空港、港湾、倉庫、工場など世界中のあらゆる物流現場にて、自動物流車両・機器の需要が急速に拡大している。様々な業種や作業に応じた、多様かつ多台数の車両・機器を効率よく運用するためには、荷量や入出庫スピードの増減に合わせ、各車両・機器の位置情報、移動、作業速度等を考慮したタスクの割りつけ、最適ルート生成等が必要。新会社ではこれらを、数十〜数百台規模で制御可能なシステムの開発に取り組んでいく。

また、グローバルに事業展開する顧客からは、世界共通の物流ソリューション導入へのニーズも高まっている。それと同時に、あらゆる産業におけるシステム開発需要が増大する中で、優秀なソフトウェア開発人材の不足は世界共通の課題になっている。従来、豊田自動織機グループは、地域・顧客毎に、各社がそれぞれ制御システムを開発してきたが、今後は各社が蓄積してきた現場オペレーションのノウハウや制御ソフトウェアを新会社に持ち寄り、多様なオペレーション・車両タイプにグローバルで適応する、汎用性が高く、高効率なシステムを開発。加えて、新会社を核としたグローバル開発体制の構築により、開発人材の不足にも対応していく。

欧州小売大手に導入済み自動物流車両《写真提供 豊田自動織機》 海上コンテナ搬送用の自動物流車両《写真提供 豊田自動織機》