新会社で製造するゴムホース《写真提供 住友理工》

住友理工は9月1日、自動車用ホース製造・販売の新会社「SumiRiko Vietnam(仮)」をベトナムに設立すると発表した。ベトナムの自動車用ホース製造拠点は2か所目となる。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界の自動車生産台数は、前年比で大幅な落ち込みが予想されている一方、中国ではいち早く販売数量が持ち直すなど、自動車産業は回復の兆しを見せ始めている。

住友理工グループの自動車用ホース事業は、世界6極で製品開発・供給体制を構築してきた。同社グループは、世界中で発生する貿易摩擦やコロナ禍の現状などを踏まえ、サプライチェーン(供給網)の多元化・分散化によるリスク回避や、顧客近くで製品を生産し、迅速に供給する「地産地消」の観点から、事業拠点の見直しや再編を積極的に進めている。今回、中国を筆頭に、旺盛な需要を見せる国々での事業拡大に向け、十分な生産能力を確保するために、グループ・グローバルでの拠点網再編策としてベトナムに新拠点を設けることとした。

新会社は、首都・ハノイの中心部から北44kmに立地するビンフック省内の第3タンロン工業団地内に設立し、ベトナム国外向けのゴムホース製造を担う。操業開始は2022年秋を予定しており、2024年度にかけて順次拡大していく。

同社グループは、自動車用ホース事業にて、東南アジアではすでにベトナムに1拠点を持つほか、タイやインドネシアにも製造拠点を有している。これらに新拠点を加えることで、より高品質で競争力のある製品の供給を実現する。