「くまもん」のラッピングが施された、元東京メトロの熊本電鉄01形。《撮影 草町義和》

国土交通省九州運輸局は8月18日、熊本県の熊本電気鉄道(熊本電鉄)が8月17日、旅客運賃の上限変更認可申請を行なったことを明らかにした。

熊本電鉄は上熊本〜御代志(みよし)間の菊池線と、北熊本〜藤崎宮前間の藤崎線からなる営業距離13.1kmの路線を持つが、2016年4月に発生した熊本地震による被害や、設備の安全維持、老朽化した車両の更新などに要する資金の確保が課題となっている。

また、今年に入って新型コロナウイルス感染拡大の影響による利用者減も加わっており、「現在の運賃水準による収入では、輸送施設の安全対策やお客様へのサービス向上策の実施に支障が出ることが予想される」として、運賃改定へ踏み切ることになったという。

申請によると、普通運賃では2kmまでの最低運賃が20円増の160円に。値上げ額が最も大きい区間は4km以上5km未満で、50円増の250円となる。同区間は定期運賃でも最大の値上げとなり、通勤・通学ともに、1か月用で1000円以上の増加となる。

この申請を受けて、九州運輸局では8月19日から9月1日まで電子政府の総合窓口(e-Gov)で意見募集を行なうとしている。