3D MEMS慣性力センサ《画像:村田製作所》

村田製作所は、車の横滑り防止装置(ESC)の小型化と高機能化に貢献する「SCC3100・SCC3200シリーズ(4軸)」および「SCC3300シリーズ(5軸)」3D MEMS慣性力センサを開発。2020年12月末から順次量産開始を予定している。

近年、自動車業界では自動車の高機能化のため電子部品の搭載点数が増え、電子部品の小型化ニーズが増加。また、レーンキープアシスタンス(LKA)や電動パーキングブレーキ(EPB)などが標準オプションになりつつあるため、センサの安全性に対する要求も高まっている。

新製品は独自の3D MEMS構造と検知機構により、優れたバイアス安定性、広帯域の信号検知能力、高い耐振動性を実現。3軸加速度センサと角速度センサをワンパッケージ化したことにより、自由な設置が可能となっている。

またフェイルセーフ機能では、リファレンス信号を用いたモニタリング、通信異常やbitエラーを検証するためのチェックサム、およびサチュレーションやオーバーレンジなどの異常信号の検出が可能。自己診断機能では、MEMS素子内部の動きから信号回路全体までの適切な動作を検証できるようになっている。
新製品はASIL Dの機能安全開発に応じたISO26262に対応するとともにAEC-Q100規格に準拠。横滑り防止装置(ESC)などの車両姿勢安定化制御や電動パーキングブレーキ(EPB)、レーンキープアシスタンス(LKA)、ダイナミックシャシーコントロール(PDCC)など、環境要件が厳しく、小型で高性能なセンサが求められる用途に適している。