将来における駐車場を活用した事業拡大の可能性《画像:SOMPOホールディングス》

SOMPOホールディングスは10月3日、駐車場シェアリング最大手であるakippaの株式約33.4%を取得し、関連会社化。駐車場シェアリング事業へ新規参入すると発表した。

SOMPOホールディングスは、自動運転サービス実証ソリューションの開発や、DeNAとの個人間カーシェアリング事業「Anyca(エニカ)」、マイカーリース事業「SOMPOで乗ーる」に参入するなど、MaaS関連事業を将来に向けた成長分野と位置付け、事業領域の拡大に取り組んできた。今回、MaaS関連事業の新たな成長ドライバとして、駐車場シェアリング事業への参入を決定、取組みをさらに加速させる。

SOMPOホールディングスが有する約5万店のリアルな保険代理店網と約1300万件の自動車保険データと、akippaが有するWebプラットフォームサービスのノウハウを活かし、リアルとデジタルを融合させることで、akippaのシェアリング型駐車場および会員数の拡大を目指す。具体的プランとしては、自動車を手放したことなどにより遊休スペースを持つ人に対して、損保ジャパン日本興亜の保険代理店からシェアリング型駐車場への登録を提案。保険代理店に紹介手数料が入るため、代理店にとっては保険以外の収益源獲得につながる。

駐車場シェアリング業界は、2030年度までに約600億から1000億円規模の市場に成長する見込みだ。現在akippaの会員数は約150万人、駐車場の拠点数は全国約3万拠点だが、SOMPOホールディングスとの戦略的業務提携の効果も合わせ、3年後の2022年には会員数を1000万人、駐車場の拠点数は20万拠点まで拡大していく計画だ。

また、駐車中におけるオーナー・ユーザー双方の不安を、保険を通して解決していくことを目指し、駐車場での自動車リスクに特化した専用保険の提供も検討。個人間カーシェアリングの受渡し拠点としてakippaの安価な駐車場を活用することで利便性を高め、利用拡大につなげる。さらに、「駐車場があれば車を購入したい」「広い駐車場があれば大きな車を買いたい」という顧客ニーズに対応し、マイカーリースの販売拡大につなげていく。

なお、関連会社化に伴い、SOMPOホールディングスは社外取締役2名のほか、企画担当者、営業担当者等数名をakippaに派遣予定。ただし経営は創業者の金谷元気社長が引き続き行い、将来的な子会社化の予定はないとしている。

モビリティ事業への参入状況《画像:SOMPOホールディングス》 個人オーナー登録の一例/自動車保険解約時の顧客接点を活用《画像:SOMPOホールディングス》 既存モビリティ事業とのシナジー《画像:SOMPOホールディングス》