MIPI-CSI2インタフェース搭載、車載用フルHD対応のLCDビデオコントローラ《画像:ルネサス》

ルネサスは、業界で初めて4レーンのMIPI-CSI2入力と150MHzシングルチャネルのOpenLDI入力を搭載した、フルHD対応のLCDビデオコントローラ「RAA278842」を発売した。

RAA278842の4レーン(またはデュアル2レーン)MIPI-CSI2入力は、最新世代システムのメインプロセッサと車載カメラ間で、1レーンあたり最大1Gbpsの通信速度に対応する。また、最大解像度1920×1080までのビデオインタフェースとLCDパネルサイズをサポート。ADASの高度化に伴い、ドライバの視界補助や駐車支援など車載ディスプレイの重要性が高まる中、こうした機能を支えるセンターディスプレイやヘッドユニット、クラスタ、HUD、電子ミラー用ディスプレイに最適な製品となる。

RAA278842は画像補正エンジンに10ビットパーカラー処理を内蔵し、遅延の少ない高画質な映像を提供する。映像信号が固着または破損していた場合には、画像計測機能によって検出。また、リアビューカメラからの映像をダイレクトにLCD表示することも可能だ。これらの機能により、ソフトウェアに関するトラブルによるリアカメラからの映像の誤表示や非表示を軽減し、リアカメラ用ディスプレイの信頼性を高める。

また、高速起動にも対応。一部システムのメインプロセッサは起動に数秒かかるが、RAA278842は、基本ファームウェアを使用して作動するため、カメラからの映像をLCD出力するまで500ミリ秒以下の高速起動を実現する。

ルネサスでは、MIPI-CSI2出力を搭載したRAA278842に加え、BT.656出力を搭載した「RAA278843」もラインアップ。両コントローラとも、システムのメインプロセッサからの映像信号とカメラからの映像をモニタリングすることで、エンジン始動後、メインプロセッサが起動するまでの間、スタート画面やカメラからの映像をすぐにディスプレイに表示できる。さらにオンスクリーンディスプレイ機能により、クラスタの起動中に従来の警告灯のビットマップアイコンを表示することも可能。両コントローラとも、運転者がギアをバックに入れてから2秒以内に車両後方の死角領域の映像を画面に表示することを義務付ける米国連邦自動車安全基準(FMVSS)の111基準への準拠を支援できる。