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電通国際情報サービス、デンソー、ActiveScaler、奈良交通および運輸デジタルビジネス協議会は、訪日外国人向け観光型MaaS「くるり奈良」実証実験を10月1日より12月末まで実施する。

奈良には、東大寺をはじめとする8つの世界遺産など豊かな観光資源が東西に広がり、毎年数多くの外国人観光客が訪れている。市内を訪れる外国人観光客数は10年間で約4倍に増加するなど好調に推移しているが、著名な観光名所がある東エリアでの短時間滞在が多く、域内消費につながりにくいという課題を抱えている。国土交通省近畿運輸局などの調査では、訪日外国人の奈良の平均滞在時間は関西2府4県で最小の4.7時間。大阪の62.5時間や京都の25.5時間を大きく下回っている。

くるり奈良は、訪日外国人を主な対象として、旅の出発地(シンガポール)から目的地(奈良)まで、飛行機、リムジンバス、奈良市内周遊バス、タクシーなどの交通網をスマートフォンで検索・予約・決済できる観光型MaaS。具体的には、奈良各所のSNS映え画像をAIが自動配信するWebアプリ「くるり奈良Web」と、気に入った場所への交通手段の検索、チケット予約・決済、目的地ナビゲーションなどの機能を提供するスマートフォン向けアプリ「IMRIDE(アイエムライド)」を用いて、シンガポールから奈良への誘客・移動・周遊をシームレスに連携。訪日外国人のユーザー体験向上を図るとともに、域内周遊や滞在時間の少なさといった、奈良エリアの抱える課題を解決するサービスの創出を目指す。

実証実験では、両アプリの提供を通じて訪日外国人のシームレスな観光周遊が促進され、奈良市西エリアへの行動変容が起きるか、滞在時間が増えるかを検証する。

「くるり奈良Web」(左)と「IMRIDE」(右)の画面イメージ《画像:デンソー》 ユーザー体験の流れ(イメージ)《画像:デンソー》