レクサス RX 新型《画像:小糸製作所》

小糸製作所は9月9日、高精細な配光制御を実現する世界初のヘッドランプシステム「ブレードスキャンADB」を開発・実用化したと発表した。

小糸製作所は、ハイビームの照射範囲を走行状況に応じて自動制御し、対向車や前走車に眩しさを与えることなく、夜間走行の前方視界を良好にするヘッドランプシステム「ADB」の開発を推進。現在主力となっている複数のLEDを個別に点消灯することで配光を制御する「アレイADB」を実用化するなど、夜間の交通事故防止を目指して、ADBの普及を進めている。

今回開発したブレードスキャンADBは、高速回転する2枚のブレードミラー(リフレクタ)にLEDの光を照射し、光の残像効果を用いて前方を照射する。ブレードミラーの回転に合わせてLED12個の点消灯を制御することで、LED300個と同等の高精細な配光を実現。対向車や前走車に対する遮光範囲を極めて小さくすることが可能となる。これにより、対向車や前走車の近傍や車両間のスペースを照射でき、対向車側から歩行者が横断する際など、歩行者の早期発見につながり、交通事故低減に貢献する。

ブレードスキャンADBは、レクサス『RX』新型に採用。小糸製作所では今後、アレイADBと併せてADBのさらなる普及拡大を目指す。

[追記]小糸製作所は「ブレードスキャン」および「アレイ」の登録商標を保有しており、これら商標の普通名称化の防止に取り組んでいる。

ブレードスキャンADBユニット《画像:小糸製作所》 レクサス RX 新型《画像:小糸製作所》 ブレードスキャンADBの原理概要《画像:小糸製作所》 前走車の際まで照射することで、より遠方の歩行者を認識可能《画像:小糸製作所》