総合優勝したチームレッドゾーン《撮影 竹内英士》

FIAエレクトリック&ニューエナジー・チャンピオンシップ ソーラーカーレース鈴鹿2019(ソーラーカーレース鈴鹿)の5時間耐久レースが3日、三重県・鈴鹿サーキットで開催され、チームレッドゾーンが4連覇を達成した。

12時にスタートした5時間耐久レースは、海外で開催される公道を舞台としたレースにも参加できる、FIAレギュレーションに合致したマシンで争われる「オリンピアクラス」と、日本国内独自のレギュレーションで、純粋なレース用ソーラーカーによる「ドリームクラス」、そしてソーラーパネルの出力が制限されている「チャレンジクラス」の3クラス混走で行われた。

以前は、マシン製作の自由度が高いドリームクラスが総合優勝を飾っていたが、2016年にオリンピアクラスに登場したチームレッドゾーンのマシンは、ドリームクラスのマシンを圧倒。昨年まで3年連続総合優勝を飾り、今年は4連覇を狙って参戦してきた。チームレッドゾーンに挑むのは、これまで9勝を挙げているOSU大阪産業大学。2003年に製作したマシンを成熟させての参戦だが、設計の古さは否めない。

レースがスタートすると、予想通りこの2チームによる一騎打ちとなり、トップを入れ替えながらレースは進んでいった。2時間経過時点で1回目のドライバー交代が終わると、OSU大阪産業大学が1分30秒リード。これはチームレッドゾーンがタイヤ交換を行なったためで、その後両者は一気に差が縮まり、2時間40分が経過した時点でチームレッドゾーンはOSU大阪産業大学を抜いてトップに立った。ここから両者の差は開くばかり。最終的に3分近くリードしてチームレッドゾーンが総合4連覇を飾った。

「タイヤは新品がもう手に入らないので、ギリギリの戦いでした。エネルギーの方はまだ余裕があったので、最後はプッシュしてOSUとの差を広げることができました」と、チームレッドゾーンの代表でドライバーも務める野村圭佑。喜びよりも冷静にレースを分析した。

一方OSU大阪産業大学のドライバーで、全日本F3選手の三浦愛は「自分たちとしては目標通りのタイムで5時間を走りきることができたので悔いはありません。でも正直な気持ちは総合優勝したかった」と悔しさをにじませた。

鈴鹿サーキットでは4日も電気エネルギーを使った競技「2019 Ene-1チャレンジ」が開催される。3輪ないし4輪のマシンによる「KV-40」と、2輪車による「KB-BIKE」の2つの競技が行われるが、両カテゴリともに動力源は単3電池40本だけで、1日を通じていかにエネルギーマネジメントができるかが大きく勝敗を分ける競技だ

ソーラーカーレース鈴鹿 5時間耐久レース総合結果(トップ10)
1. TEAM RED ZONE
2. OSU 大阪産業大学
3. KAIT ソーラーカープロジェクト
4. 静岡ソーラーカークラブ
5. 芦屋大学ソーラーカープロジェクト
6. TeamMAXSPEED
7. 柏会
8. 紀北 TECH TEAM
9. 和歌山大学ソーラーカープロジェクト
10. JTEKT SOLAR CAR TEAM

オリンピアクラス優勝:TEAM RED ZONE
ドリームクラス優勝:OSU 大阪産業大学
チャレンジクラス優勝:TeamMAXSPEED

レース主催:日本自動車連盟、モビリティランド

5時間耐久レース総合上位3チーム表彰式《撮影 竹内英士》 総合およびオリンピアクラス優勝のチームレッドゾーン《撮影 竹内英士》 総合2位、ドリームクラス優勝のOSU大阪産業大学《撮影 竹内英士》 総合6位、チャレンジクラス優勝のTeamMAXSPEED《撮影 竹内英士》 5時間耐久レーススタートシーン《撮影 竹内英士》