6月14日から16日にかけて相次いで「道の駅あびらD51ステーション」に搬入され、載線した国鉄色のキハ183 214(左)とD51 320(右)。D51 320は背後にある「追分機関庫」と称した車庫に入る。《写真提供 永山茂(北海道鉄道観光資源研究会)》

北海道安平(あびら)町の安平町鉄道資料館で保存されていたD51形蒸気機関車320号機(D51 320)と、2018年に引退した非貫通型の特急型気動車キハ183形がこのほど、相次いで「道の駅あびらD51ステーション」へ移送された。

両車とも4月19日の道の駅オープン時から公開される予定となっていたが、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の影響で延期されていた。

このうち、D51 320は6月13日夜に安平町鉄道資料館を出発。同機は足回りはそのままに、後部のテンダー(炭水車)を切り離した状態でトレーラーで運ばれ、翌14日にはクレーン車2台を使って載線した。

また、D51 320と同じく道の駅で保存される国鉄色のキハ183形(キハ183 214)は6月16日3時頃に道の駅に到着。同日午前中にクレーン車により載線し、D51 320との並びが実現した。

なお、国鉄色のキハ183形はキハ183 220も安平町で保存されることになっており、D51 320が抜けた後の安平町鉄道資料館の車庫に入っている。

今回移送された2両のキハ183形は、2018年に北海道鉄道観光資源研究会がインターネット募金(クラウドファンディング)により調達し、赤とクリーム色の国鉄色に復元。JR北海道からは譲渡の条件として保存先を確保することが挙げられていたが、同会が安平町に寄贈する形で保存・公開の実現に至った。

深夜に道の駅へ陸送されるキハ183 214。《写真提供 永山茂(北海道鉄道観光資源研究会)》 クレーンで吊り上げられるキハ183 214。《写真提供 永山茂(北海道鉄道観光資源研究会)》 キハ183 214の載線作業。車体と台車は別々に輸送されており、台車を先にレールに載せてから、車両を吊り上げて合体させた。《写真提供 永山茂(北海道鉄道観光資源研究会)》