板金修理を手掛ける工場でよく見かける照明、単に明るくなれば良いというものではない。《撮影 中込健太郎》

修理工場や板金工場でよく見かける証明、細かく仕上がりを観るためのものということは想像ができるが、ただの証明ではないそうだ。

オートサービスショーの会場で、こうした整備板金工場や、メーカーの検査ライン、買取業界や保険のアジャスティング業務の現場に多数納入実績のある嵯峨電機工業は、様々な照明機材を紹介していた。

嵯峨電機工業の担当者は「一見同じような光に見えても実は様々なグレードや、色の光を用意しています。私たちの照明を使ってくださるユーザーは、単に明るくしたいということで照明を入れてくださっているわけではありません。板金塗装の仕上がりを見るのにとても重要な機材として選んでくださっているのです」と話す。

展示されている商品や、カタログを見ると「演色評価数」という項目がある。同じように見える光でもしっかりその評価がなされているものと、なされていないものでは価格も違うのだ。

「近年、自動車の塗装はかなり凝った技術で塗られています。板金塗装の仕上がりにもそれに伴って高いレベルが要求されます。加えて、屋内の作業ではきれいに仕上がってように見えても、太陽光の下に出すと、色むらや、ペイントの調合の差が出てしまうようなことが少なくありません。作業現場レベルで太陽光に近い光を、というのが製品開発のスタートでした。エンドユーザーの要求レベルも高くなっています。全塗装ならまだしも、部分的な板金ではこうした照明によって、作業精度がかなり左右されるようですね」と前述の担当者。

ブースの別の場所には、黄色やオレンジ、緑といった色のついた光を放つハンディタイプの目視検査用ライトが展示されていた。

説明担当者は「ハンディタイプの目視検査用LEDライトにフィルターを装着することで、色のついた光にするものです。真っ白い光だと、明るくすることはできても、細かい凹み・傷などを見えにくくしてしまっていることが少なくありません」という。

「けれども、色の違いは波長の違い。照度は落ちますが、細かい異常を目視で確認しやすくなります。データだと緑の光が一番カバーできる領域が広くなります。使う人間の個人差で、オレンジや黄色が良いという人もいます」

カタログなどを見ると、演色評価数というインデックスが。如何に太陽光に近い光であるかを示す評価。この性能が板金・塗装の仕上がりを左右するという。《撮影 中込健太郎》 ハンディタイプも豊富なラインナップ。査定から検査など幅広い領域で使用されている。《撮影 中込健太郎》 こちらのフィルターは単純に光に色を付けるためだけのものではない。《撮影 中込健太郎》 最小限の光と、細かい傷や凹みの目視での洗い出しができるように波長を絞るのが目的のカラーフィルターだ。《撮影 中込健太郎》 クルマのメッキエンブレムの傷なども、白いLED光では見えないものも、青い光であれば目で見て判断することが可能だ。《撮影 中込健太郎》 波長と色の関係。平たく言うと、曲線の下の領域は見えない範囲。データでは緑の光が最も可視領域が広い。《撮影 中込健太郎》 その他こうしたポータブルバッテリーなど、私たちのカーライフを支えてくれている嵯峨電機工業だ。《撮影 中込健太郎》