浜口ウレタン・セーフティボートミニ《撮影 高木啓》

浜松市に本社を置く浜口ウレタンは、ジャパンインターナショナルボートショー2019(ジャパンボートショー2019。7〜10日、パシフィコ横浜)に、小型のウレタンボートを出展した。見た目はゴムボートだが、空気の代わりに硬質ウレタンが充填されている。

浜口ウレタンが出展した『セーフティボート』は水害救助支援での使用を想定しており、冠水した地域での人や物資の運搬に用いる。消防団や自治体に納品している。

構造はゴムボートに似ているが、空気の代わりに発泡材の硬質ウレタンが注入されているので、船体が破損したり穴が開いても空気漏れせず、浮力を維持する。さらに硬質ウレタンは樹脂の泡ひとつひとつが閉じており、軟質ウレタンのように水が染み込むこともない。

浜口ウレタンのセーフティボートは、ボートの床も硬質の樹脂でできており、人や荷物を安定して搭載でき、船上での作業もしやすい。また船体前後の形状を工夫して車いすでの乗降もしやすくした。船底には車輪をつけることもでき(工具不要)、陸上での使用もできる。ゴムボートと違って膨らます手間も時間も不要だ。災害時は空気ポンプを動かす動力がない場合も多い。

浜口ウレタンでは全長2700mのセーフティボートをすでに製品化しており、ジャパンボートショー2019では全長1720mmの「セーフティボートミニ」を発表した。「ミニ」の全幅は1200mm、重量40kg(車輪なし)で、軽自動車のバンに搭載可能だ。セーフティボートミニの価格はオール2本付きで25万円、タイヤ4輪付きで43万円。

浜口ウレタンはスズキの自動車内装材としてウレタンを供給しているサプライヤーでもある。

浜口ウレタン・セーフティボートミニ《撮影 高木啓》 硬質ウレタン材の断面《撮影 高木啓》 浜口ウレタン箱船。床面積が広い《撮影 高木啓》