低金利を活用して高速道路整備を加速

国土交通省は、2018年度予算に関する大臣折衝(18日)の結果、物流ネットワーク整備による生産性向上と一般会計から自動車安全特別会計への一部繰り戻しが認められたと発表した。

国土交通省では、生産性向上などのストック効果が最大限発揮されるよう、全国物流ネットワークの核となる高速道路などの整備を加速することが重要とし、財政投融資を活用して圏央道や東海環状などの整備加速を要求。また、地方自治体による高速道路インターチェンジのアクセス道路の整備を計画的、重点的に支援する個別補助制度の創設も要求していた。

折衝の結果、要求どおり財務大臣から認められることになった。

財政投融資を圏央道・久喜白岡JCT〜大栄JCTの4車線化、圏央道・大栄JCT〜松雄横芝ICの整備、東海環状・高富IC〜大野・神戸IC、北勢IC〜大安ICの整備、東海環状・美濃加茂IC・SA〜土岐JCTの付加車線設置などに充てる。

地震発生確率26%以上の地域の橋梁で耐震強化対策を進める。

また、1994、1995年度に自動車損害賠償責任再保険特別会計(現・自動車安全特別会計)から1兆1200億円が一般会計に繰り入れられた。これまで6921億円が返済されたが、2017年度末で6169億円が返されていない。

2018年度までに返済することになっており、折衝では被害者保護増進事業を充実するため、2018年度に一般会計から自動車安全特別会計に返済することを要求していた。

折衝の結果、一般会計から23億2000万円を繰り戻すことで合意した。療護施設や短期入所協力施設の拡充、介護者なき後を見すえた自動車事故被害者の生活支援の充実などに充てる。

残金の返済については、国土交通大臣と財務大臣による覚書を更新し、返済期間を従来の7年から4年に短縮するとともに、「被害者等のニーズに応じて、被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう十分に留意」などの文言を新たに追加した。

「返済期限は平成30年度末だが、平成30年度予算を編成するのは今年度。ここがカギを握る勝負の年になる。万が一、また覚書が書き換えられて返済が先送りになるということになると、自賠制度のあり方が根底から崩れ、行政への信頼、制度への信頼が失墜する」と、出席した委員は指摘した