日本基準適用69社の決算状況

日本自動車部品工業会は6月12日、2016年度(2016年4月〜2017年3月)の自動車部品メーカーの経営動向調査結果を発表した。

会員企業440社のうち、上場企業で自動車部品の売上高比率が50%以上、前年同期との比較が可能な自動車部品専門企業79社の業績を集計・分析した。なお79社のうち、日本基準適用企業は69社、国際財務報告基準(IFRS)適用企業は10社だった。

日本基準適用69社の合計売上高は前年度比3.1%減の15兆4934億円、営業利益は同1.6%増の9643億円。経常利益は同6.3%増の9783億円、純利益は同6.5%減の4164億円だった。

また、IFRS適用10社の合計売上高は同2.5%増の10兆3598億円、営業利益が同9.8%増の6819億円。税引前利益は同11.0%増の7201億円、純利益が同5.5%増の4413億円だった。

各社とも好調な海外事業による需要増加があったものの、円高による為替換算の影響や軽自動車の需要減少などにより、減収となった企業も多かった。また、各社の増益・減益要因を分析すると、営業利益の増益要因としては「合理化努力」や「生産増加による操業度差益」「海外拠点の業績改善」「受注車種構成の変化」などが、減益要因としては主に「円高の影響」が挙げられ、その他の要因として「国内諸経費の増加」「海外労務費の増加」などがあった。

2017年度通期の業績見通しは、売上高はほぼ横ばい、 経常利益は微減(IFRSは増収増益)の予測になっている。安全・環境等新技術への研究開発費や海外での設備投資の増加に加えて、為替の変動や米国の政策や欧州政治動向、また新興国の経済先行き等不確実要素が多くあることによるものと考えられる。

国際財務報告基準(IFRS)10社の決算状況