(イメージ)《写真撮影 高木啓》

保険金の不正請求をはじめとする不祥事が発覚、業績が悪化していた中古車販売・買取会社のビッグモーターは、伊藤忠グループによって事業再建を図ることになった。関係各社が3月6日に発表した。

伊藤忠商事と伊藤忠エネクスは、ジェイ・ウィル・パートナーズとともに、ビッグモーターが運営する事業について再建の可能性を検証した。その結果、事業再建は可能であり、かつ取組意義があると判断し、3月6日に、関係者間で事業再建に向けた契約を締結した。

今後、所定の条件が充足されたのち、4月後半をめどに、ジェイ・ウィル・パートナーズ、伊藤忠商事、伊藤忠エネクスの3社は、今回の契約に基づく会社分割方式によって、ビッグモーターの主要事業を承継する新会社を発足させる。

伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、ジェイ・ウィル・パートナーズは2023年11月17日に、ビッグモーターと基本合意書を締結し、ビッグモーターが運営する事業について再建の可能性を検証するために、デューデリジェンスを実施していた。

ジェイ・ウィル・パートナーズは2003年に設立された投資ファンド運営会社。全国各地の、主に中堅、中小企業の成長、再生、事業承継などにおいて投資実績がある。

伊藤忠商事は1858年に創業された世界61か国に約90の拠点を持つ大手総合商社だ。国内、輸出入および三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開している。欧州タイヤ・自動車整備事業などの自動車関連事業におけるハンズオン経営の実績もあり、事業力の強化や買付・サプライチェーンを始めとするオペレーション効率化、成長戦略の立案などもてがける。

伊藤忠エネクスは1961年に設立された、伊藤忠商事が株式の53.97%を保有する伊藤忠グループ中核のエネルギー商社。自動車関連ではカーディーラー事業、ガソリンスタンドでの整備事業など、自動車関連事業をてがける。