優勝した#911 Absolute Racing《撮影 竹内英士》

三重県・鈴鹿サーキットで15日、GTワールドチャレンジアジア第5戦の決勝レースが行われ、香港の#911 Absolute Racing(ヴチカラン・インターフバスク/クラウス・バッハラー)が優勝した。

GTチャレンジアジアはレース専用のGT3・GT4マシンで争われる国際レースで、2023年シーズンはタイのチャーン・インターナショナルサーキットで5月に開幕し、第1戦と第2戦を開催。その後舞台を日本に移し、6月に静岡県・富士スピードウェイで第3戦と第4戦が開催された。

そして今回、7月15日・16日の日程で鈴鹿サーキットを舞台に第5戦と第6戦が開催される。その後、翌週に栃木県・モビリティリゾートもてぎ、8月に岡山国際サーキットでの開催を経て、9月にマレーシアのセパンサーキットで最終戦を迎える。なお、日本で行われる4大会は「ジャパンカップ」としてエントリーすることが可能で、独自の選手権ポイントが与えられる。

夏らしい日差しが降り注ぐ中、GTチャレンジアジア第5戦の決勝日を迎えた鈴鹿サーキット。午前中には第5戦・第6戦の予選が行われ、第5戦は#16 ABSSA Motorsport(井上雅貴/澤圭太)がポールポジションを獲得した。

決勝レースは1時間の時間制。その間、25分経過後から35分までの10分間にドライバー交代を行うルールとなっている。スタート方式はダミーグリッドから離れ1周のフォーメーションラップを行い、隊列を整えて走行したままスタートする「ローリングスタート」が採用されている。

スタートでポールポジションの#16 ABSSA Motorsportに襲いかかったのは、2番手スタートの#500 TEAM 5ZIGEN(HIROBON/川端伸太朗)。しかし前に出ることはできず、2台の順位は変わらなかった。後方では5番手スタートの#3 Climax Racing(フゥー・ウギ/ビアン・イー)が3位に浮上。11番手スタートの#911 Absolute Racing(ヴチカラン・インターフバスク/クラウス・バッハラー)が8位に浮上するなど、大きな順位変動があった。

S字コーナーでストップしたマシンがあり、2周目からセフティーカーが導入された。リスタートは6周目。しかし今度はデグナーカーブでアクシデントがあり、すぐにセフティーカーランとなり、その後赤旗中断となった。約20分の中断の後、1周のセフティーカーランからレースは再開。すぐにドライバー交代ができる時間となり、続々とマシンはピットに入りドライバー交代を行った。

全車のドライバー交代が終わってみると、2位だった#500 TEAM 5ZIGENがトップに浮上。#16 ABSSA Motorsportは2位に転落するとともに、ピットストップの規定時間が6秒短かったとして、ペナルティを受け大きく順位を落とすことになった。その後、後続を徐々に引き離し独走体制を築き始めた#500 TEAM 5ZIGENだったが、16周目に2位に浮上してきた#911 Absolute Racingのペースが異常に速かった。16周目の時点では約9秒あった差が、17周目には7.5秒、18周目には6.2秒とみるみる縮まってくる。そして22周目、#500 TEAM 5ZIGENに追いついた#911 Absolute Racingは激しくプレッシャーを掛け、ついに23周目の2コーナー先で抜き去りトップに躍り出た。

この時点で残り時間は約5分。#500 TEAM 5ZIGENは前を追うことはできずそのままチェッカー。今シーズン3度表彰台に乗るもまだ優勝がなかった#911 Absolute Racingが、今季初優勝を飾った。

#500 TEAM 5ZIGENは2位だったが、前戦富士ではアクシデント下位に沈んだだけに、嬉しい今季初表彰台となった。

3位は8番手スタートから徐々に順位を上げた#18 Porsche Center Okazaki(永井宏明/上村優太)。以下、#11 Audi Sport Asia Team Absolute(アンドリュー・ハリアント/ジェイムス・ユ・カイ)、#2 Climax Racing(ジョー・ビハング/デニス・リンド)と続き、前澤友作氏がチームオーナー兼監督を務める#555 Maezawa Racing(ピッティ・ブロムバクディ/横溝直輝)が、14番手スタートから徐々に追い上げ、6位でフィニッシュした。

GTワールドチャレンジアジアは翌16日に鈴鹿サーキットで第6戦が開催される。

■GTワールドチャレンジアジア第5戦結果(トップ10)
1. #911 Absolute Racing
2. #500 TEAM 5ZIGEN
3. #18 Porsche Center Okazaki
4. #11 Audi Sport Asia Team Absolute
5. #2 Climax Racing
6. #555 Maezawa Racing
7. #87 R&B Racing
8. #22 KCMG
9. #13 Audi Sport Asia Team Absolute
10. #333 Phantom Pro Racing

表彰式《撮影 竹内英士》 2位の#500 TEAM 5ZIGEN《撮影 竹内英士》 決勝レース、1-2コーナーの風景《撮影 竹内英士》 優勝した#911 Absolute Racingとバトルする3位の#18 Porsche Center Okazaki(左)《撮影 竹内英士》 4位の#11 Audi Sport Asia Team Absolute《撮影 竹内英士》 5位の#2 Climax Racing《撮影 竹内英士》 6位の#555 Maezawa Racing《撮影 竹内英士》 7位の#87 R&B Racing《撮影 竹内英士》 8位の#22 KCMG《撮影 竹内英士》 決勝レーススタートシーン《撮影 竹内英士》