2年連続チャンピオンを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)《撮影 竹内英士》

三重県・鈴鹿サーキットで29日、スーパーフォーミュラ第9戦の決勝レースが行われ、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)が今季2勝目をマーク。#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が2位で2年連続のチャンピオンを獲得した。

スーパーフォーミュラ2022年シーズンも最終大会を迎えた。つい先日、3年ぶりのF1日本GPで盛り上がった鈴鹿サーキットが舞台で、29日に第9戦が、30日に第10戦が行われ、今季3度目の土日2レース開催となる。

もちろん、この2レースでチャンピオンが決まる。現在#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が113ポイントでランキングトップ。#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が32ポイント差のランキング2位。#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)が35ポイント差のランキング3位につけている。野尻がかなり有利な状況だが、もしノーポイントレースとなれば他の2人にも充分逆転のチャンスがある。

29日の午前中に行われた第9戦の公式予選では、野尻が堂々のポールポジションを獲得してチャンピオンシップポイント「3」を積み重ねた。フェネストラズは17番手、平川は11番手と、予選で3番手までに与えられるポイントを稼げなかったばかりか、決勝レースも逆転にはかなり不利なポジションからスタートすることになった。

決勝レースは31周。ポールポジションの野尻はスタートを決めてトップをキープしたまま1コーナーに飛び込んだ。2番グリッドの#37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)は4位に後退。3番グリッドの#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が2位、5番グリッドの#15 笹原右京(TEAM MUGEN)が3位に上がってきた。

野尻は1周で後続に1秒以上の差をつけたが、3周目にはうしろの2台に追いつかれる状況に。ここで動いたのは3位の笹原で、4周目に大湯を抜き去り2位に上がってきた。この時点で野尻との差は約1秒。しばらくは差を保ったままの走行となったが、8周目には0.9秒差、そして9周目には0.5秒差まで追い詰めて10周目にピットインしてタイヤ交換を行った。

野尻は11周目にタイヤ交換を行い、笹原の前でコースに戻った。しかし笹原はまだ温まっていないタイヤで走行する野尻を一気に追い詰め、ヘアピンでオーバーテイク。前にはタイヤ交換を行っていないマシンが走行しているが、実質上の1位へと上がってきた。

TEAM MUGENのチームメイトバトルはあっさり決着がつき、野尻は徐々に引き離される状況に。全車のタイヤ交換が終わった27周目には7.6秒もの差が開いていた。笹原はそのまま野尻を引き離してトップでチェッカー。第6戦富士で初優勝を飾った笹原が、今季2勝目を飾った。

2位の野尻は翌日の最終戦を待たずして2年連続のチャンピオンが決定。レース後野尻は「チームの頑張りに応えたいと思い、最後まで頑張りました。そして最後まで応援してくれた皆さんのおかげでチャンピオンが取れました」と喜びと感謝の気持を語った。またTEAM MUGENの2台がワンツーフィニッシュを飾ったことにより、チームチャンピオン獲得も決定した。

3位に入ったのは#53 佐藤蓮(TEAM GOH)。ルーキーながら時折上位での戦いをみせていた佐藤は、参戦初年度で見事表彰台を獲得した。

今季最終戦となる第10戦は、鈴鹿サーキットを舞台に翌30日に予選・決勝が行われる。

■スーパーフォーミュラ 第9戦決勝レース結果

1. #15 笹原右京(TEAM MUGEN)
2. #1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
3. #53 佐藤蓮(TEAM GOH)
4. #65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
5. #37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
6. #19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
7. #5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
8. #38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
9. #20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
10. #39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
11. #64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
12. #55 三宅淳詞(TEAM GOH)
13. #6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
14. #3 山下健太(KONDO RACING)
15. #12 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
16. #4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
17. #50 松下信治(B-Max Racing Team)
18. #7 小林可夢偉(KCMG)
19. #14 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
20. #18 国本雄資(KCMG)
21. #36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

優勝した#15 笹原右京(TEAM MUGEN)のチェッカーシーン《撮影 竹内英士》 2位でチャンピオンを決めた#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)のチェッカーシーン《撮影 竹内英士》 表彰式《撮影 竹内英士》 優勝した#15 笹原右京(TEAM MUGEN)《撮影 竹内英士》 2位でチャンピオンを決めた#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)《撮影 竹内英士》 3位初表彰に登ったルーキーの#53 佐藤蓮(TEAM GOH)《撮影 竹内英士》 4位の#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)《撮影 竹内英士》 5位の#37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)《撮影 竹内英士》 6位の#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)《撮影 竹内英士》 チームチャンピオンを獲得したTEAM MUGENの(左から)笹原右京選手、田中洋克監督、野尻智紀選手《撮影 竹内英士》 決勝レーススタートシーン《撮影 竹内英士》