水陸両用車「AURORA 850SX HUNTMASTER」《写真提供 KDDI》

KDDIは、自然災害時の迅速な通信復旧を目的とした「水陸両用車」「四輪バギー」を2月25日より、国内通信事業者として初導入する。

東日本大震災の際、携帯電話を持って避難したという人も多く、自然災害時の通信は、被災者の安心・安全のよりどころとなる。KDDIでは、海上から電波を発信する船舶型基地局や、山間部の孤立地域における通信を可能とするヘリコプター基地局の実証実験など、さまざまな災害対策機材を導入・検討。しかし近年、自然災害は激甚化し、豪雨による浸水で被災地に進入できないなど、従来の機材では対応が難しい想定外の事象も発生しており、今回、水陸両用車および四輪バギーの導入を決定した。

水陸両用車「AURORA 850SX HUNTMASTER」は陸上は40km/h、水上を5km/hで走行でき、浸水だけでなく、自然災害であらゆる散乱物に覆われた悪路にも進入できる。長期間にわたる降雨などにより浸水した地域の通行に活用し、復旧機材運搬や復旧要員の現地派遣に役立てる。

四輪バギー「OUTLANDER Hmr 1000R」は、水陸両用車よりも小型な全地形対応型車両で、道幅の狭い道路も進入可能。災害現場への進入を阻む、倒木や散乱物、崖崩れなどで幅員が狭められた道路通行に活用する。

KDDIでは、水陸両用車および四輪バギーの導入により、浸水被害が発生エリアなどにおける迅速な通信の復旧を図る。また同社は、今回導入した機材に加え、ヘリコプター基地局などもあわせ、災害の発生から対策までの一連の流れを訓練する「2021 KDDI災害対策訓練」を2月25日に宮城県で実施する。

四輪バギー「OUTLANDER Hmr 1000R」《写真提供 KDDI》