車載用FIRカメラシステム《写真提供 JVCケンウッド》

JVCケンウッドは12月23日、光源なしで夜間の遠方撮影や画像認識が可能となる車載用FIRカメラシステムを開発したと発表した。

今回開発した車載向けFIRカメラシステムは、ビデオカメラやドライブレコーダーなどの開発で培ってきた映像技術を生かし、太陽光や街灯など、光源の有無に関わらず夜間の撮影や画像認識が可能。夜間など、人の目には見えづらいシーンでも、視認性が高い映像を記録できるほか、人物や物体などを検出して警告できる。

夜間運転時の警告システムとしての活用や、自動運転時の車載用カメラとしての展開を目指す。

システムは遠赤外線センサーメーカー大手のLynredのマイクロボロメーターセンサーを採用した。独自のアルゴリズムによる画像補正技術を搭載することで、遠赤外線画像を高画質化した。カメラ部は、住友電気工業と共同開発した車載用小型レンズユニットの搭載で、レンズ保護窓レスとし、小型化しながらも耐衝撃性や耐候性を確保した。

カメラユニットを小型化することで、スペースの限られた車両前面にも搭載が容易。信頼性では10万kmを超える走行試験を実施し、降雪地や寒冷地などでの信頼性も確保したとしている。

夜間の人物を認識するエンジンは独自技術を用いて開発した軽量アルゴリズムを搭載する。汎用CPUに認識システムとカメラシステムを同時に実装し、システムの簡略化と低コストを図った。100mを超える遠方人物認識が可能としている。

通行人が視認できないような夜道でも認識が可能《写真提供 JVCケンウッド》 ヘッドライトによる逆光に埋もれてしまう人影も確認可能《写真提供 JVCケンウッド》