第5戦優勝の#5 山本 尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)《撮影撮影 竹内英士》

鈴鹿サーキットで5日にSUPER FORMULA第5戦の決勝レースが行われ、#5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポールトゥウィン。ランキングトップに浮上した。

全7戦で争われる2020年のSUPER FORMULAも終盤に差し掛かり、今週末は鈴鹿サーキットで第5戦・第6戦が開催される。5日には午前中に第5戦の公式予選が行われ、ランキング4位の#5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポールポジションを獲得。ランキング3位の#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が2番手につけた。ランキングトップの#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は予選でトラブルが発生し最後尾。ランキング2位の#1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は11番手と後方からのスタートとなった。

決勝レースは13時15分にフォーメーションラップがスタートするスケジュールだが、その前のコースインラップで2番グリッドの野尻がトラブルでストップ。何とかダミーグリッドまで戻ってきたが、最後尾スタートの判定を受けてしまった。

フォーメーションラップは路面温度が低いこともあり2周行われたが、10番グリッドの#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトラブルでストップ。マシンの回収が完了せず、更に2周のフォーメーションラップが行われることになった。その結果30周の予定だった決勝レースは2周減算され28周となった。

ランキングを争うライバルたちが後方からのスタートとなる中、ポールポジションの山本はスタートを決めトップで第1コーナーに入った。後方では6番グリッドの#7 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がジャンプアップして3位に浮上。その結果上位はトップが山本、2位は3番グリッドの#6 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3位が小林、以下#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、#64 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)と続いた。

そして1周目のダンロップコーナーに差し掛かったところで、6位を走行していた牧野がコースアウトしクラッシュ。ドライバーは無事だったが、マシン回収のために1周目からセフティーカーが導入された。

レースは6周目にリスタート。ここで一気に山本が後続との差を広げて独走体制を築いていった。10周目、2位走行中の福住にトラブルが発生しリタイヤすると、更に山本は楽になった。このタイミングから続々とタイヤ交換を行うマシンが現れたが、山本はステイアウト。そして18周目にピットインしてタイヤ交換を行った。その直後、10位を走行していた#50 松下信治(Buzz Racing with B-Max)が130Rでクラッシュ。こちらもドライバーは無事だったが、マシン回収とクラッシュバリア修復のためにセフティーカーが導入された。

直前にピットインした山本はトップをキープ。2位から7位を走行していたステイアウト組は即座にピットインし、先にピットインを済ませたマシンの隊列の中に戻っていった。すべてのマシンのピットインが終わると、トップ山本、2位は12周目にピットインした中嶋、3位は11周目にピットインした#18 国本雄資(carrozzeria Team KCMG)。セフティーカーラン中にピットインした中では、レース序盤8位を走行していた#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が5位に上がってきたが、他のマシンは大きく順位を落とす結果となった。

22周目にリスタート。山本はあっという間に2位に差をつけ逃げ始めた。このリスタートラップで激しい4位争いが展開されたが、23周目に入るホームストレートで平川、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)、坪井、小林の4台が横並びになったところで、イン側に居た平川、笹原がアウト側にコースを変えて笹原が坪井に接触。坪井は踏みとどまったが、笹原は平川を巻き込みながらスピンしてコースアウト。2台はクラッシュバリアまで飛ばされていった。

笹原と平川は無事にマシンから降りてきたが、これで3度目のセフティーカーが導入された。踏みとどまった坪井もフロントウイングとタイヤが破損しており、ピットまで戻れたもののリタイヤとなってしまった。

大波乱の決勝レースだったが、残り2周、27周目にリスタートしたあとも山本は後続を寄せ付けず、そのままチェッカー。得意の鈴鹿でポールトゥウィンを決めた。これでランキングも4位から一気にトップに浮上。3度目のチャンピオンに向け、大きく前進した。

2位は中嶋、3位は国本で、スーパーフォーミュラのチャンピオン経験者3名が表彰台に登る結果となった。WEC(世界耐久選手権)チャンピオンの小林が惜しくも表彰台に及ばず4位。ディフェンディングチャンピオンのキャシディは5位でチェッカーを受けランキング3位に。野尻は7位でランキング4位に踏みとどまった。なお、ここまでランキングトップだった平川はノーポイントでランキング2位に落ちた。しかしトップの山本から4位の野尻までのポイント差は13ポイント。残り2戦で最大46ポイント稼げるため、誰がチャンピオンになるか、まだまだ予断を許さない状況だ。

SUPER FOMULA第6戦は、6日の午前に公式予選が、午後に30周の決勝レースが開催される。

■SUPER FOMULA 第5戦 決勝レース結果
1. #5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2. #36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
3. #18 国本雄資(carrozzeria Team KCMG)
4. #7 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
5. #1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
6. #38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
7. #16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
8. #65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
9. #3 山下健太(KONDO RACING)
10. #4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
11. #51 シャルル・ミレッシ(Buzz Racing with B-Max)
12. #14 大嶋和也(ROOKIE Racing)
13. #12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)
以上完走

--. #39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
--. #20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
--. #15 笹原右京(TEAM MUGEN)
--. #50 松下信治(Buzz Racing with B-Max)
--. #6 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
--. #64 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)
--. #19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

第5戦で優勝しランキングトップに立った山本尚貴《撮影撮影 竹内英士》 第5戦表彰式《撮影撮影 竹内英士》 第5戦2位の#36 中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)《撮影撮影 竹内英士》 第5戦3位の#18 国本 雄資(carrozzeria Team KCMG)《撮影撮影 竹内英士》 第5戦4位の#7 小林 可夢偉(carrozzeria Team KCMG)《撮影撮影 竹内英士》 第5戦5位の#1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)《撮影撮影 竹内英士》 第5戦6位の#38 石浦 宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)《撮影撮影 竹内英士》 第5戦スタートシーン《撮影撮影 竹内英士》