ドローンメーカー向けに提供するヨコオ製GNSSアンテナ《画像:ヨコオ》

ヨコオは3月24日、自動車メーカーにも採用されている耐環境性能に優れたGNSSアンテナを初めてドローンメーカー向けに提供すると発表した。

今回ヨコオが提供するGNSSアンテナは、ビルなどの影響により電波環境の悪い市街地でも安定した受信を実現し、主にカーナビゲーションや車両緊急通報システム用途として、大手自動車メーカーにも採用されている。自動車用途として使用されているため、耐環境性能に優れ、気温の変化や天候の悪化に強いことに加え、低い信号でもGPSレシーバーに伝えることができるローノイズアンプの搭載により、ドローンの素早い起動に寄与する。

ドローンは、橋げたの点検作業や災害対応、農薬散布など、危険な高所作業や人が立ち入るのが難しい場所へのアクセス、省人化への手助けとして産業用途での活用が広がってきている。さらに今後は、一部特区で始まっているドローンを使った宅配サービスの普及拡大や目視外での飛行が増加することが見込まれており、高精度で環境信頼性の高いGNSSアンテナが求められてきている。

2018年度の国内ドローンビジネス市場は931億円に上り、2024年度には5073億円(インプレス調べ)に達すると見込まれている。さらに、日本政府がドローンを使用した物流や宅配サービスなどの商用化を見据えたルール作りを始める意思を明らかにし、2022年度のルール実装を目指しているなど、今後もドローン市場は拡大していくと見込まれている。

ヨコオは昨年7月にMaaS事業に進出するなど、自動車業界で長年培ってきた高いアンテナ技術を生かし、新たな産業分野へと活躍の場を広げてきている。今後も、精度や環境信頼性の高いアンテナ製品の提供を通じ、生活を豊かにする社会への貢献を目指す。