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ゼンリンデータコムは6月11日、ライナロジクスと宅配事業でのラストワンマイル問題の解消を目指す「モビリティプラットフォーム」(仮称)を展開すると発表した。

インターネット通販市場の拡大とトラックドライバーの不足・高齢化による物流危機が大きな社会問題となっている。特に宅配サービスでは、ベテランドライバーの高度な経験や知見が支えて成り立っている。ドライバーは運転技術、駐停車可能な位置や営業車両が通行可能な細街路、時間帯による交通状況など、配達エリアに関するノウハウを蓄積し、高度な判断に基づいて業務に当たっている。

これら知見はドライバー個人のノウハウで、所属する事業所内など限られた範囲でしか共有できていない。

ゼンリンデータコムとライナロジクスは、ラストワンマイル物流問題を解決するため、互いの知見・リソースを持ち寄り、プラットフォームとして広く提供する。

ライナロジクスが持つ、効率のよい配送計画をコンピューターで自動作成する組合せ最適化技術や予測、AIを使った学習技術と、ゼンリングループの地図資産、地図調査・作成に関するノウハウ・ネットワーク、位置情報解析技術を組み合わせる。これによって効率的な計画から管理までを統合的に運用できるオープンなモビリティプラットフォーム(仮称)を構築・提供する。

まず宅配物流事業の課題を解決するため、高度で実用的なデータの集積と、それを生かすための自動化技術・アプリケーションをプラットフォームとして提供する。利用者は輸配送サービスに関するノウハウを集積し、ルート探索・自動配車といった機能を組み合わせて利用することが可能。既存の計画システム、運行管理システム、安全管理システムなどと連携して利用することも可能。

また、地図データやアプリケーションの提供に加え、地図データとアプリケーションを一体化したGISプラットフォームも提供する。

さらに、集積した情報は、宅配物流分野にとどまらず、営業車両やフィールドメンテナンスなど、さまざまな業務分野での活用、旅客輸送、貨客混載といった高度輸送などMaaS時代の輸送サービス全般に対し実現できるプラットフォームを目指す。