コクピット・リファレンスソリューションを使用して作成したコクピット表示の例

ルネサスエレクトロニクスは、コクピット向けアプリケーションを効率的に短期間で設計できるよう、「統合コクピットECU向けR-Carリファレンスソリューション」の提供を5月29日より開始した。

同ソリューションは、ルネサスが開発したモジュールレベルのハードウェアと、ルネサスおよびパートナ各社が提供するソフトウェアパッケージを組み合わせたもの。さまざまなアプリケーションの要件を満たすために、OEMやティア1が自由にカスタマイズできる。ルネサスの高性能車載用SoC「R-Car M3」を使用し、ハードウェアとソフトウェアの機能をあらかじめリファレンスとして設定してあり、すぐに開発に着手可能。このリファレンスをベースに、それぞれのニーズに合わせて、システムの再構成やアップグレード、拡張など、カスタマイズすることができる。

ハードウェアは車載用SoC「R-Car M3」をベースとした、完全なターンキーソリューション。特に課題となる高速インタフェース設計に対処できるよう、車載用ローパワーDDR4メモリを使用したリファレンスデザインに加え、設計およびテストマニュアルなどのドキュメントも提供。ユーザは独自の機能セットに合わせて基板をカスタマイズする際も開発負荷が軽減され、短期間で開発できる。

ソフトウェアパッケージは、ルネサスのソフトウェアとパートナ各社のソフトウェアを組み合わせた包括的なリファレンスソリューションで、完全な透明性を確保。BSP(Board Support Package)およびドライバ、仮想化ソフトウェア、オープンソースソフトウェアのAutomotive-Grade Linux、各種ミドルウェア、およびアプリケーション層で構成する。ソフトウェアはソースコードとして提供されるため、既存のシステムや知見がなくても、アプリケーション設計をすぐに開始可能。これにより、アプリケーション設計のニーズを満たす最適な形で、ソフトウェアの修正、変更や配付ができる。

コクピット・リファレンスソリューションのハードウェアであるECU(電子制御ユニット)