シェアリング交通需要予測技術

NTTドコモとドコモ・バイクシェアは、自転車シェアリングサービスで自転車再配置作業を最適化する実証実験を11月26日から千代田区、港区、新宿区で実施する。

実験では、ドコモのモバイル空間統計のリアルタイム版である「近未来人数予測」とドコモ・バイクシェアの自転車利用実績などのデータを基に、ドコモが開発した深層学習技術によるAIを使って再配置を最適化する「シェアリング交通需要予測技術」を活用する。

ドコモ・バイクシェアサービスは2011年度のサービス開始時、年間の利用回数が4万回程度だったが2016年度には220万回、2017年度には470万回と急速に増えている。都内のサイクルポートは2018年10月末で約580カ所、自転車台数は約5900台となっており、自転車配置数を適正に計画するノウハウを持つ再配置作業者が不足している。

今回新たに開発する「シェアリング交通需要予測技術」は、人口統計データや実績データに加え、気象データ、周辺施設データなどを組み合わせ、深層学習などの人工知能技術を適用して自転車の貸出・返却需要を予測するシェアリング交通需要予測モデルを作成する。12時間後までの1時間ごとにおける各サイクルポートの利用可能自転車台数を予測する。

また、予測情報とサイクルポートのラック数などの制約事項に基づいて自転車が設置されたラック数を大幅に超過しているサイクルポート、利用可能な自転車がないサイクルポートの数を最小限に抑えるための再配置計画を、将来の利用動向を考慮して生成する。

実験では、再配置作業者に対しタブレット端末などで再配置計画を提示し、その内容に基づいた再配置を実施することで自転車再配置業務の最適化を検証する。