水田の真ん中にある交差点で、速度を落とさずに進行してきたクルマ2台が出会い頭に衝突する事故が起きた。この事故で一時停止を怠った側に乗っていた高齢の男女2人が死傷している。

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27日午後3時40分ごろ、青森県つがる市内の市道で、交差点を進行していた乗用車が軽乗用車が出会い頭に衝突する事故が起きた。この事故で軽乗用車側の高齢男女2人が死傷。乗用車の2人も負傷している。

青森県警・つがる署によると、現場はつがる市牛潟町鷲尻付近で片側1車線の直線区間。交差点に信号機は設置されていない。乗用車と軽乗用車は速度を落とさぬまま交差点へ進入。直後に出会い頭で衝突した。

衝突によって双方のクルマが中破。軽乗用車に同乗していた76歳の女性は全身を強打して約2時間後に死亡。運転していた神奈川県相模原市内に在住する79歳の男性も胸部骨折などの重傷を負った。乗用車を運転してたつがる市内に在住する31歳の男性と、同乗していた10歳の男児も打撲などの軽傷を負い、いずれも近くの病院へ収容されている。

現場は水田の中にあり、視覚的な障害物が存在しない交差点。一時停止義務は軽乗用車側にあった。警察では同速度で進行した場合、目の錯覚で互いの接近に気がつかないコリジョンコース型の事故とみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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事故が起きた交差点は水田の真ん中にあり、視覚的な障害物が存在しない場所だという。

通常であれば相手車両を見落とすことは考えられないが、相手車両の存在を認識していなかったり、認識していたとしても目の錯覚で「止まって見える」というコリジョンコース型事故であったり、安全と思われる場所でも事故に至る落とし穴は存在する。

なお、「コリジョンコース型(衝突型)事故」というのは一般名称だが、北海道では広大な十勝平野の農地で多く発生することから「十勝型事故」とも呼ばれている。