首都高(イメージ)

首都高速が利用者に「安全対策に関するアンケート」を実施中だ。違う車種が自分のそばを通行するとき、運転者は何を考えているか。交通安全対策を推進するための、今までにないユニークな視点の意見募集だ。

用意された質問は6つ。首都高速を利用する車種を「自動二輪車」「普通乗用車」「大型車」のうちから選択する。軽四輪や中型トラックなどで迷う場合もあると思うが、アンケートが想定するのは「バイクか乗用車かトラック・バスかというおおざっぱなもの」(アンケート作成者)。本論はその先にある。

6つのうち3つの質問は、いつも使うクルマで、自車の周囲に違う車種がいたら、どんなことに気を付けるか。「自動二輪車」がいたら、「普通乗用車」だったら、「大型車」だったらと質問が続く。この回答は運転する車両によって、きっと違うはずだ。首都高速が知りたいのは、車種のまじった混合交通で走った場合の運転者の心理だ。

高速道路の事故は一般道と比較して重傷化しやすいと言われる。歩行者と車両が完全分離されているため事故総数は抑えられるが、スピードが出ているのが原因といわれる。ただ、その中でも首都高速は特に重傷化しやすい。また、四輪車と二輪車の死傷事故率が、著しく違うのも首都高速の事故の特徴だ。

首都高速は経営目標の中にも事故の抑制を掲げている。高速道路の走行安全性や快適性を向上させるため「交通対策検討会」を有識者を交えて開催する。今年度はその検討会の下にある「渋滞・安全対策分科会」で、昨年度の交通事故状況を分析。二輪車事故の特徴を把握した対策をまとめて、すべての車種での事故抑制を目指す。

4月に開催された第一回の分科会では、自動車教習所教官を対象に、首都高速の走行について意見を求めた。今回のホームページ上のアンケートでは、さらに利用者の声を聞く。首都高速を走行中にヒヤリとした経験のある場所、その対策についても意見を求めて、首都高速の課題を抽出する予定だ。

座長は交通工学を専門とする横浜国立大大学・田中伸治准教授。委員は東大生産技術研究所の大口敬教授、日大理工学部の安井一彦准教授、立命館大学理工学部の塩見康博准教授の専門家だけで構成されている。、

アンケートはトップページから5つの階層を進まなければならないので、なかなか見つかりにくいが、「首都高速」「交通安全対策の推進 」のキーワードで検索すると、「最近の主なトピックス」の中に掲載されている。アンケートの締め切りは6月30日だ。