信号無視を行ったとしてパトカーに追跡されていたクルマが、パトカーを振り切った直後にバイクとの衝突事故を起こした。相手を負傷させたにもかかわらず、クルマは逃走したが、警察は早期に運転していた男を発見。逮捕している。

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21日午前4時ごろ、愛知県名古屋市東区内の国道19号で、直前までパトカーの追跡を受けていた乗用車と原付バイクが衝突する事故が起きた。バイク運転者が重傷。クルマはそのまま逃走したが、警察は後に運転者の男を逮捕している。

愛知県警・東署によると、名古屋市東区相生町付近の国道19号をパトロールしていた同署員が信号無視を行った乗用車を発見。停止を命じたが、乗用車はこれを無視するとともに速度を上げて逃走。乗用車は約300m離れた別の交差点を直進しようとした際、対向車線側から右折してきた原付バイクと衝突した。

この事故でバイクを運転していた中村区内に在住する37歳の男性が頭部骨折などの重傷を負ったが、クルマはさらに逃走。警察は重傷ひき逃げ事件として捜査を開始し、周辺捜索を実施したところ、事故から約40分後に衝突痕がある不審な車両を発見。運転していた港区内に在住する24歳の男へ職務質問したが、男がひき逃げへの関与を認めたことから、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

聴取に対して男は「クルマの車検が切れていたので、怖くなって逃げた」などと供述しており、警察では事故発生の経緯を詳しく調べている。

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事故を起こして逃走した男は「車検が切れていた」と供述しているようだが、車検切れの場合、自賠責保険も切れた「無保険状態」となっていることが多々だ。

この場合、自賠責保険は下りず、政府保障事業から自賠責保険と同等の補償を受けるか、あるいは自分の保険を使って治療を受けるか…ということになってしまう。

無車検のクルマを運行した場合は道路運送車両法違反に問われ、これに加えて無保険だと自動車損害賠償保障法違反の罪に問われることにもなる。

罪は割と重く、ゆえに「車検切れの発覚を恐れた」となったのかもしれないが、理解していたならば悪質だ。