「LMW(リーニングマルチホイール)」は、旋回時にフロント2輪が車体と同調してリーン(傾斜)するヤマハならではの機構。これまでは125ccと155ccのスクーター『トリシティ』で採用してきたが、今度はついに本格的なスポーツバイクに導入する。
東京モーターショーに展示されたフロント2輪、リア1輪の『NIKEN(ナイケン)』は、排気量850ccの3気筒エンジンを搭載。ナイケンは2つの“剣”を意味する造語で、フロント2輪のダイナミックな動きを剣の達人による二刀流になぞってネーミングした。
ヤマハ発動機 LMW開発部グループ プロジェクトリーダーの高野和久さんは「車体の安定性が高いことから、ライダーの精神的負担が軽減し、走行中の有効視野が2輪よりも広がります」と、安全性が高いことを教えてくれた。
もちろんスポーツライディングの楽しさも奥深い。というのも高野さんはLMW開発部に所属する前は、MotoGPやダカールラリーといったレースマシンの開発を長い間担当してきたから、走りの部分にこだわらないわけがない。
「横風や路面による外乱に強く、たとえ片側のタイヤがスリップしても、もう片方のタイヤが支えてくれます。フロント2輪ならではの圧倒的なコーナリング性能を大型バイクで味わうという新しい提案です」(高野さん)
世界最高峰のレース用バイクを設計してきた高野さんが、より高い安定性を求めてきた中で見つけた前輪マルチホイールの有効性。2014年に『トリシティ』が発売され、その旋回性に驚いたが、今度はビッグバイクというよりスポーティなカテゴリーでその高いコーナリング性と安定感が味わえるのだ。
ヤマハは2018年に先進国向けに発売する方針。スポーツバイクの新しいカタチ、早く乗ってみたい!
【東京モーターショー2017】ヤマハの3輪、ついにスポーツバイクに投入…二刀流で旋回性バツグン!!
2017年10月27日(金) 16時53分
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